漁書日誌 3.0

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雨模様、和洋会には行けず

雨だが、気温は11月初旬並という。昨日は外出できなかったので、今日は五反田と和洋会かと出発。といっても家を出るのが遅く、雨は止んだがギリギリ五反田を覗いたのみで和洋会には間に合わず。
五反田遊古会、注文品は無し。閉場15分前に到着。ということで、1階は見ずに2階のみザーッと見る。特になく、三島関係書が安かったので買う。毎年ボンボン出るものの貧乏書生ゆえいちいち定価で買ってはいられない。千円以下しかも800円では高いと思っていたのでちょうどよい。

塚谷裕一「果物の文学誌」(朝日選書)200円
鈴木邦男「遺魂—三島由紀夫野村秋介の軌跡」(無双舎)400円
板坂剛編著「三島由紀夫全共闘の時代」(鹿砦社)600円
で、三田乗り換えで神保町へ移動。扶桑書房へ。
300円均一で以下のものを購入。


内田魯庵イカモノ」(金尾文淵堂)明治42年5月13日初版凾欠
小西ふさ「おとづれ」(私家版)明治44年2月25日凾欠
渡辺霞亭「萩江」(至誠堂書店)大正6年8月16日初版カバ欠
佐藤春夫「殉情詩集」(新潮社)大正11年4月20日5版パラフィンカバ欠
幸田露伴編「四季物語」(国光社)明治36年10月20日再版益田玉城木版口絵4葉
谷崎潤一郎「神童」(須原啓興社)大正6年7月1日4版凾欠
夏目漱石「倫敦塔 外二篇」(春陽堂大正9年6月25日9版
イカモノ」は表紙の白箔が剥落しちゃって空押状態だが、中には多色刷木版が3葉挿入されている。サインが読めず誰のものかはわからない。小西ふさ(小西房子)は、正体不明。たぶんどこかのお偉方の娘の文学少女だと思われる。大隈重信、巖谷小波坪内逍遙の序文に加え、巻頭には「伊国ウジネ殿下」に直接もらったというサイン入りのその殿下の肖像写真が掲げてある。イタリア公使の娘だろうか。内容は、文語調の書簡体小説というかエッセイというか、そういうもの。「萩江」は英朋の口絵なのだが木版ではなくコロタイプ印刷と思われる。外装は凾ではないかと思ったがカバーらしい。それからまあ、なんといっても「四季物語」がみっけものだった。これは、広津柳浪「鏡のうら」、齋藤素影「帰省」、小川煙村「傑作」、神谷鶴伴「初陣」の4篇がそれぞれ春夏秋冬に割り当てられて総タイトルが「四季物語」となっているもの。益田玉城(珠城)による多色刷木版口絵がそれぞれの作品巻頭についている。外装は凾だろうか。正直、柳浪以外は全く知らない作者だが、柳浪目当てで買ったもの。

以下は近頃の新刊で気になったもの。

写真集 土方巽 肉体の舞踏誌

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ハイデガー読本

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らぶ・ひるたァ【特別限定復刻版】

らぶ・ひるたァ【特別限定復刻版】

「らぶ・ひるたぁ」の復刻版は驚いたが、しかし定価8000円では、この古書値下がり時にそのまま伏せ字表付の元版買えるよ……。