9月も半ば過ぎ多少は秋の気配が感じられるようになってはきたが、湿気が残っているというのか、動くと汗だくになる。コロナも依然収まらない。今日は趣味展ということで、9時40分頃に会場到着。入口で検温ののちに整理券。38番であった。ひとりずつ、ゆっくり開場。会場もコロナ仕様で間引いた感じ。
じっくり扶桑棚を見てから、ほかの棚も見て回るが間引いてあるぶん一回りも早い。吟味して棚に戻したり、同じようにリバースされたものをまた抜き出したりして、購入。
末広鉄腸「政治小説 戦後の日本」前編(青木嵩山堂)明治29年1月13日4版極美800円
儘世翁(佐瀬徳三)「続当世活人画」(春陽堂)明治32年11月22日500円
雑誌「めさまし草」(明治29年4月25日)300円
「小説家」は上下巻だが下巻にのみ奥付がある。上巻には多色刷木版口絵。「戦後の日本」は最初復刻版かと思ったくらいピンピンの極美本で、つい最近まで袋があったのかと思わせるような状態。これも口絵あり。後半がないがこれは日清戦争後ということか。ちょっと送れた政治小説という感じ。「めさまし草」は参考のために。
土井晩翠「東海遊子吟」(大日本図書)明治39年7月20日再版400円
加藤武雄「春の幻」(宝文館)昭和2年9月15日7版凾欠800円
晩翠のは中村不折らの石版画(?)が挿絵としていくつか挿入されているもの。ほぼ同じ状態の同じ再版が800円であったがこちらを買ってきた。それから加藤武雄の本は「令女界」などの掲載された少女小説集。羽二重装で、蕗谷虹児による装幀。なかの挿絵も蕗谷虹児。
薄田泣菫「泣菫文集」(大阪毎日新聞社)大正15年5月8日初版凾800円
凾は鋲打ちの機械凾、本体は背がバックスキンで平が羽二重。名越国三郎装幀。大毎で同僚だった時期があり泣菫のものをよく装幀している。章扉にもカットがある。天金。ようやくお手頃な値段で入手。
「近代名家抒情詩集」(交蘭社)大正14年5月20日5版凾美300円
齋藤昌三「書物誌展望」(八木書店)昭和30年5月15日限定800部凾欠200円
大岡信行「正岡容このふしぎな人」(文藝春秋)昭和52年12月15日初版カバ帯300円
「近代名家抒情詩集」はアンソロジーだが、いちいち詩人の顔写真が入っている。羽二重装で装幀は蕗谷虹児。これも状態がすこぶるよい。齋藤昌三のは限定千部のうち200部が特装で800部上製本というのがこれ。凾欠で200円というのは安い。正岡容のは単に読みたかっただけなのだが、この値段なら買ってもいいかと。
本当はこれのほかにもあれやらこれやら抱えていたが、戻した。この程度で収まってよかった。
帰宅してみると、献本が届いていた。
感謝申し上げます。