昨夜はみぞれ交じりで少しの間雪になったが、まあ積もるに至らずよかった。そして翌日である本日は、まど展である。9時45分頃に会場到着したのだが、ここのところ、段々とまど展朝イチ行列が少なくなってきたような気がする。適正に戻ったというべきか。あきつ狙いの人が減ったのかしらん。
で、今日もあきつ書店の棚の前は押すな押すなのごった煮状態であった。今回は、ワタクシ的にはこれといったみっけものはなく、他の書店の棚から幾つかという感じ。あきつ棚は、何故か伊藤整の著作がどっさりとあった印象。11時過ぎに昼食に出て、くるりで味噌ラーメン大盛り小ライス。その後会計してもらって、田村など少し見てから、小川町駅より八幡山駅へ。久々に大宅文庫へ調べ物へ赴いたのであった。
結局、古書展で購入したのは以下。
平井呈一訳「ワイルド童話集」(冨山房)昭和26年12月10日再版凾背欠300円
玉林晴郎「文身百姿」(日本刺青研究所)5版凾300円
松岡心平「中世芸能を読む」(岩波セミナーブックス)カバ帯200円
片山杜秀「未完のファシズム」(新潮選書)カバ帯500円
「文身百姿」は元版は昭和11年発行だが、これは復刻版(本文は印影復刻)みたいな重版。よくある本だがケチケチと500円以下で探していたのである。
さて、そして注文品だが、当たっていた。
村井弦斎「小説家」上巻下巻揃(春陽堂)明治29年5月11日初版袋欠美3000円
弦斎の「小説家」である。これが欲しかった。国会図書館の近デジでも読めるが、あれだと読みづらく、原本で持っていたかった。が、今まで数度古書目録で見かけ、注文するたびに外れてしまったりして、何故か入手出来なかったのである。ケチケチと揃いで5千円以下で探していたからかもしれないが、今回はかなりの美本。木版口絵(上巻のみ。下巻は石版)もしっかりある。装幀、口絵は鈴木華邨。明治期の小説家表象がどんなもんだったのか興味津々でじっくり読んでみたかったのが欲しかった理由。今回手にとってよく見てみると、上巻には奥付がない。もしや落丁かとも一瞬思ったが、国会図書館蔵本でも上巻には奥付はなく、これでよいのかと。とすると、上巻下巻分けて別々に販売したのではなくって、発売当時はこれ上下一緒に販売していたということだろうか。それなら分けずに上下一冊にして売った方がとも思うが、当時の製本上の問題か、もしくはこうして分冊することが当時の常識としてあったのか(「小説神髄」なんかも小分けにした分冊であったが、お江戸からの名残で分冊にするものという出版的な常識があったのかどうか)、これはよくわからない。
でまあ、先にも触れたようにお昼で神保町を切り上げ、調べ物で大宅文庫に行き、ついでに世田谷文学館での岡崎京子展に立ち寄ろうと思っていたのだが、寝不足で体力気力がついていかず。今度は渋谷に出て東急文化村ギャラリーで開催中の金子国義展に赴いたが、新刊の自伝「美貌帖」署名本は売ってなかった。サイン会後ならあるかなあとまた来るつもり。その後、西武に入ってる紀伊國屋でサイン会をやっていたので以下の本を購入、サイン入れてもらってきた。
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