漁書日誌 3.0

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廉価版と人魚

扶桑書房にて、2冊購入(というよりも、1冊は著者より直接頒けていただく)。

川島幸希「私がこだわった初版本」(人魚書房)廉価版130部頒価3000円
谷崎潤一郎「人魚の嘆き」(春陽堂大正9年4月25日8版凾欠800円
まずは「古通」誌上でも販売予告された廉価版「私がこだわった初版本」である。冒頭の「はじめに」が「はじめに—「廉価版」刊行にあたって」という文章に差し替えられた以外文章はすべて同じだが、装幀、紙質などが異なる。45部本よりもごくわずかに束が薄い。「はじめに」によれば、「古通」定期購読者の申し込み部数+自家用若干で合計130部という。その自家用の一部を頒けていただいたわけである。今度のは、表紙用紙が若干擦れやすい材質のようで、これは早々にパラ巻きしたいところ。
それから、「人魚の嘆き」。これは上記したように8版。今回初めて見る重版である。しかし何故こんなにも安いのかというと、ちゃんとわけがあって、扉・挿絵欠、見返し改装本であるからである。背が取れたのを見返しを剥がして修理したようで、挿絵2葉はその時にでも切り取ったものか。挿絵入りの重版ならば既にあるけれども、これはこれで重版資料として入手出来てよかった。


蓼科日記 抄

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新訳 独身者機械

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