漁書日誌 3.0

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まど展+川島幸希初版本著書目録

まど展初日。午前9時36分、会場着。既にズラリと並んでいるのを横目に喫煙所で一服していたら、結局最後尾になる。とはいえ、先頭集団の塊の最後であるわけで、大して変わらない。10時開場。
しかし……今日のあきつはあんまりパッとしない棚であった。その代わり、個人的には他の店で充実した棚があった。黒いのが格安でドサリとあるような感じで好印象。

司馬遼太郎梟の城」(講談社)重版凾500円
木村荘八「近代挿絵考」(双雅房)昭和18年12月15日カバ欠300円
宮川淳「紙片と眼差とのあいだに」(小沢書店)再版帯ビニカバ300円
筋書「南座・顔見世」(昭和5年12月)200円
国立劇場芸能調査室編「椿説弓張月上演資料集」「風俗備要抄『椿説弓張月』関係」200円
南座の筋書きは、昭和5年12月興行の時のもので、夜の部で谷崎潤一郎の「お国と五平」をやった時の。「椿説弓張月」のは、普通の上演資料集であるなら既に持っていたが、「風俗備要抄『椿説弓張月』関係」というのは知らなかった。戯曲に出てくる語彙の解説みたいなもの。

矢野峰人「世紀末英文学史」(牧神社)上下揃凾外筒凾2000円
澁澤龍彦「毒薬の手帖」(桃源社)昭和38年6月10日初版凾600円
第一書房の「近代英文学史」は世紀末デカダンスに興味津々の学生時代よく読んだ。これの増補改訂版である「世紀末英文学史」がちと高くて、元版で渇を癒していたのだが、いま場所ふさぎであるのはわかっているのに、ついつい極美でこの値段だったので手を出してしまった。挟み込まれていた投げ込みには、総革装特装10部本定価2万円なんてのが出ていたが、見たことすらない。一緒に、近刊として「世紀末書影図譜」限定700部、なんてのが出ているがおそらくこれは未刊だな。澁澤本下落が激しい古書の世界だが、手帖シリーズは好きな装幀で、なおかつ戦後装幀史においても重要と思っている。で、これもつい。初版で状態まあよくてで600円は安いよ。今はあまりにも下がりすぎだと思う。
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川島幸希「川島幸希初版本著書目録」(人魚倶楽部)2014年9月1日発行限定120部
出来上がったばかりのを著者ご本人より頂戴する。感謝です。全頁アート紙でオールカラー。とりわけ「私がこだわった初版本」の特製5部(紺色3部、白色2部)は初めて見た。なかなか瀟洒なつくりで、箔押しが殊更に映える。