漁書日誌 3.0

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村上芳正展など

「村上芳正展——「家畜人ヤプー」原画を中心に」@弥生美術館に赴いた。

弥生美術館自体、実は久々である。出発時の抽象的な油絵から種々様々な作家のための挿絵、装幀、映画ポスター等々。なかなか見応えのある内容でその生涯の画業が通覧できるという展示であった。線の細かさ繊細さ(村上芸術の命でもあるのだが)が尋常でない。こういうものは近づいてゆっくりじっくり見たいものである。で、帰りがけにポストカードとともに新発売された村上芳正の画集を購入。ここにはサイン入りで売っていると人に聞いていたのだが、間に合った。まだサイン本の在庫はあった。

「村上芳正画集 薔薇の鉄索」(国書刊行会)署名落款入 定価
高橋睦郎「善の遍歴」(新潮社)カバ922円
入沢康夫「詩の構造についての覚え書」(思潮社)ビニカバ帯800円
写真左の二冊はこの数日のあいだに別にネット古書店などで購入した本。「善の遍歴」は恥ずかしながら知らなかったがこれはまた飛び抜けた小説。

そういえば、前に古書展にて凾のパーツはすべて揃っているが全てバラバラになってしまっていた久米正雄「木靴」、ようやく暇を見て修復した。芯になってるボール紙、凾の裏側に張られている薄紙、凾の表面に張られているハトロン紙、背と平の木版題箋、すべてバラバラであったのだ。こうして直ってみると、これで500円だったのだからみっけものであったかなと自負する次第。