漁書日誌 3.0

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愛書会で靴を買う

愛書会古書展。初日。注文品は無い。15時半過ぎに会場到着。うしろの予定がつかえていたので、ザッという感じで軽く流してお仕舞い。が、なんだこれというのが転がっていたので確保。それが「木靴」である。

久米正雄「木靴」(改造社昭和2年8月3日初版(凾パーツ)500円
まあ見ての通りである。なかなか状態はよい、ただし凾がバラバラでなければ。湿気であろうか、貼凾がバラバラなのである。今回これを見て当時の製凾が少し分かった気がする。凾は、互い違いに天・底部を内側に折り曲げたボール紙に背部分で組み立てられており、内側にハトロン紙が貼ってある。そして外側もハトロン紙でくるんであり、更にそこに題箋(背・表平)。今回のものは、パーツは全て揃っているが、内側と外側のハトロン紙が芯に使用しているボール紙から剥離してこの状態になっているのだ。本文にチラッと赤鉛筆でのラインがある他は汚れも少なく裸本としても掘り出し物だったかなと思う。あとはこれをどう修復するかにかかっている。
しかしこの装幀は誰なのだろう。見返しもなかなか洒落た感じの木版画になっているが、表平の女の子のイラストが1980年代っぽいというか、まあモダンだ(髪の毛がチェックであるなど)。

鷲田清一「顔の現象学」(講談社学術文庫)カバ315円
秦豊吉田之助の錦絵」(私家版「私の演劇資料」2)限定100部1000円
野崎守英「歌・かたり・理」(ぺりかん社)カバ帯737円
会場で今日買ったのはあと上記の文庫本1冊。下の二冊はヤフオクマケプレである。

国語教科書の闇 (新潮新書)

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