漁書日誌 3.0

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人魚百年の会そして古書展行かなかった週末

今週の月曜日である2月16日、六本木のGALLERIA645にて〝百年の会・ヤドカリ人魚〟が催された。知る人ぞ知る神保町にあったBar人魚の嘆き(2011年閉店)の一日限定復活として、六本木の焼き物のお店を借り切ってのパーティーで、百年と称するようにちょうど百年前の1915=大正3年発行の初版本(荷風『夏姿』、潤一郎『お才と巳之助』等々)や同年執筆された漱石「道草」反古原稿の軸などが展示された。縁あって参加させていただいたが、厳選の鎌倉野菜、表にはおでん屋台一台借り切りなどもあり、盛会であった。


で、今日最終日であるぐろりや会であるが、神保町への到着が遅れギリギリ覗けず。ムムムとザッと古書店を流し、田村書店の外台にて『塚本邦雄歌集』を購入。三週間くらい前から逡巡していたものである。少し前に同じ外台にて『感幻楽』の凾欠を安く買ったが、同じ元所有者のもの。見返しに抽象画のようなイラストが入っている。この人の蔵書、塚本やタルホなど、最近神保町やネットで散見する。その後、扶桑書房に行き格安の本をドサッと購入。まあ結局買ってしまうのである。

塚本邦雄塚本邦雄歌集」(白玉書房)凾帯昭和45年12月25日ビニカバ欠4000円
ケストナー「機械の中の幽霊」(ちくま学芸文庫)カバ900円
短歌に疎いけれども、塚本はやはり三島生前のがまとまっているこの歌集でもういいかなと思っている。歌論やエッセイはまだ買いたいけれども。それから文庫は、先日地元の古書店で見つけ購入したもの。数年前はこれ篦棒なプレミアがついていて、数年前の復刊リクエストにも希望していたのだが出ず、見つけてこの価格で思わず買ってしまった。
それから扶桑書房にて買ったもの。


太宰治初版本5冊一括(「峻別」「パンドラの匣」「ヴィヨンの妻」カバ「桜桃」「如是我聞」)2000円
夏目漱石吾輩は猫である」(大倉書店・服部書店)上中下巻私製合冊重版、夏目漱石「草合」(春陽堂)初版背改装、2点一括1000円
一括ってのがすごい。正に買い得である。「猫」は表紙はないけれども(全体の表紙を下巻のものを用いているのみ)、扉と奥付は各巻ちゃんとある。
以下、ネットでその存在を知った本。ここの読者の方は御存知であろう青木嵩山堂を興した青木恒三郎は、上田文斎の三男だが、その兄である次男上田貞治郎を追った本。一般頒布はないようだが、検討されているらしい。気になる。
青木育志『明治の異色文人・上田貞治郎』青木嵩山堂2014