漁書日誌 3.0

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趣味展朝イチ

趣味展初日。久々に朝一番に。といっても既に30人目くらいになっている開場の列にはいる。久々に、人々に揉まれながらの古書漁りで、あれこれ悩みながらも今日購入したもの。



村井弦斎「日の出島 曙の巻上巻」(春陽堂明治34年10月16日初版カバ欠400円
村井弦斎女道楽」(博文館)明治38年12月20日8版カバ欠1500円
芥川龍之介「煙草と悪魔」(新潮社:新進作家叢書)重1000円
竹久夢二「露台薄暮」(春陽堂昭和3年1月1日初版凾欠少虫3000円
木村和一他「染色の理論と実際」(文化生活研究会)初版裸夢二装幀800円
吉屋信子「わすれなぐさ」(実業之日本社昭和16年4月9日37版凾欠少痛2500円
吉屋信子「桜貝」(実業之日本社昭和13年5月30日10版凾1500円
吉屋信子花物語III」(交蘭社)大正14年6月2日8版凾欠1500円
小田仁二郎「触手」(真善美社)初版美500円
谷崎潤一郎細雪 上」(中央公論社)カバ汚特製限定300部記番300円
松崎天民「社会観察 万年筆」(磯部甲陽堂)大正3年9月15日3版裸3000円
雑誌「中央文学」大正9年4月号1000円
天民のは、先日のかわほり堂目録にて注文していたもので、古書展のあと店に引き取りに行った本である。しかしまあ、なんというか、買いすぎ。幾ら本を買えなかった反動といっても買いすぎで今後のやりくりが心配である。まず弦斎だが、無論両方とも多色木版口絵はついている。「女道楽」は元々欲しかったので嬉しい。「日の出島」は集めていたが結局途中で売り払ってしまった。これは木版付で400円だったので買った。「露台薄暮」は虫食が惜しいがちゃんと多色木版口絵のついている初版の方(重版は木版ではなく印刷になる)。それから吉屋信子中原淳一の装幀で思わず購入。完本でなくていいからこの辺は所持していたい気にさせる。それから結局購入は諦めたが、石坂洋次郎藤本真澄宛献呈署名本が数百円でゴロゴロあった。藤本は言わずと知れた東宝の重役。映画関係資料として500円だった藤本宛署名入り「石中先生行状記」くらいやっぱり買えばよかったか。これは特定の店の棚だが、それ以外の店の棚でも今回は拾いものがあった。
まずは「触手」。惜しいかな帯がないけれど抜群のコンディション、所持本と交換用である。それから「細雪」。なんだか小汚い「細雪」端本がポツンと棚にあって、普段なら見向きもしないのだがなぜだかピンと来るものがあって、手にとって奥付を確認してみるとなんと特製300部本ではないか。「谷崎潤一郎先生著書総目録」未掲載のパッと見は普及本と何ら変わりない限定本である。しかし、よく調べてみるとこれ、テキストが多少改訂されているのである。刊行本ごとのテキスト改訂の変遷とかって、既に調査されているのかしら。まあ汚れてはいるけれどもめっけものであった。
でまあ、あらかじめ目録注文していた「槐多の歌へる」(ARS)凾欠1500円はハズレ。しかし買いすぎ。今後どうするのか…