漁書日誌 3.0

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洋書会をのぞく


Andre Gide:Oscar Wilde,Mercvre de France,Paris,1925 100円
ハヴェロック・エリス「感覚と性的淘汰」(未知谷)500円
ハヴェロック・エリス「性愛の象徴化」(未知谷)500円
洋書会にくるのはもう何年ぶりであろうか。久々に覗く。まあちょっと驚いたのが、会場内に誰か、どこかの店主が持参したのであろう音楽がずっと流れていたこと。他の会場ではあり得ないが、これはこれでよい感じであった。で、まあ、ジイドの「ワイルド」原書を買ったわけだが、仏語は出来ません。出来ないのだが、こういうものは持っておいてなにか後々あった時に役に立つかもしれない、ただそれだけです。このワイルド論、確か最初の英訳本は限定500部とかの本だった気がする。日本でおそらく最初に訳したのであろうと思われるのは、和気律次郎であろう。春陽堂の、ほら、耳付きの小さいサイズの叢書、あれで出ている。元は英訳だろうが、それを調べたら当時上記の限定版しかなかったようなのであった。これもいつぞや図書館で取り寄せてコピーは取ったのだが。
で、一緒に写っているハヴェロック・エリスの「性の心理」は、モールにて購入。安く購入出来て良かった。学生時分、これの翻訳が出て、おおと思い、バラで買っていたのだが、その後全7冊揃6000円でゾッキに出た。買おう買おうと逡巡したが、既にバラで二冊買っているし、買えばそれが無駄になるし、ということで買わなかったのだ。確か1996年頃、学生時代に最初に買ったのが、「性対象倒錯」という巻だったが、よくぞこんなものの完訳を出してくれたと挟まれていた御意見葉書に書いて出したら、編集者から感謝の葉書が届いたのを覚えている。ハヴェロック・エリスだのクラフト=エビングだのモルだのなんだのと、当時、明治末の小説家たちがネタ本よろしく読んでいたということであれやこれやと漁っていたのである。確かエリスは文明論みたいのも出していて、ユイスマンス論なんかも書いていたので、それが入ったエッセイ集なども原書の古書で買ったが、結局面倒で読んでいない。
今日の洋書会では、臥遊堂が出品しており、ほぼ生田耕作旧蔵書であった。かつて生田のエッセイで、谷崎潤一郎蔵書印ありの性科学書を購入した云々というのを読んだ記憶があったので、あるいはもしやと会場では臥遊堂棚のエリスなどを片端から見て確認したのだが、さすがにそれはなかった。