漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

みぞれの中で本を買う

国会図書館の帰りに池袋に出た。探している新刊書籍があり、だがそれは例えばググっても全く出てこないというものなのだが、おそらく池袋のジュンク堂ならばおいているだろうと目星をつけてのことであった。なにしろ地方出版扱いで出版社自体が池袋にある。
しかしまあその前に、リブロの古本市の方で、ちょっと安く探していた文庫が二冊も出ていたという情報を知人から得、まずはリブロに行ってそれを購入。出来れば500円以下で欲しかったのだが、黒岩涙香「弊風一斑 蓄妾の実例」(現代教養文庫)カバ630円である(今知ったのだが、これ文元社というところから〈教養ワイドコレクション〉という単行本シリーズで復刊されていた)。会場の同じ店の棚に、840円と630円という値付けのものと二冊あったのだが、何故か840円の方が本文がくすんでいた。
で、まあ、それからジュンク堂へ行き、探して貰うと、やっぱりおいてあった。冒頭で言及した本である。

徳島高義「ささやかな証言—忘れえぬ作家たち」(紅書房)
出たばかりの本である。著者は昭和33年から「群像」の編集者。三島、吉行、大江、吉行等々の担当編集者でもある。帰途読み進み一気に読了。
*****************************
ところで、帰宅後夕食をとりながら何気なくテレビのチャンネルをまわしていると、ハッサン・カンが云々と字幕が出ていた。何やらドラマらしい。ハッサン・カンといえば、これはもう谷崎のをテレビドラマ化したのか、それとも芥川か・・・と、後者であった。TBSのBUNGO 日本文学シネマという深夜ドラマシリーズで、毎回短篇をドラマにしているらしい。月曜が第一回で太宰をやったという。知らなかった・・・こういうのは、近頃では再放送というのをせずすぐにDVD発売にしちゃうからイヤなのだよなあ、低所得者としては(BSでは来月放送らしい、入ってないけど。しかもそのDVDというのが一本30分もないのを三千円で売るというのだから、なんだかなあという気がする。)。でもまあ、こうした文学ドラマは学生の時に見たフジテレビ深夜の「文學ト云フ事」以来か。
で、明日が梶井の「檸檬」、来週月曜が谷崎の「富美子の足」を加藤ローサで、ということだ。これは録画しなくては。でも本当は、オーソドックスだが実は未だ映像化されたことのない「秘密」あたりやって貰いたかった。