国会図書館で調べモノをした後、和洋会古書展に滑り込む。時刻、17時45分。
まずはザーッと。というか、ザーッと見てまわって全部を見切れないうちに終わるという感じ。入ってすぐ左の所の棚、やたら戦前の教科書やグラマーの洋書などあったが、ゴチャゴチャして探せば面白そうなものもあったかもしれない。ジェイムスの心理学の原書やらクロポトキンの洋書などがあった。往時の文学青年などこんなものを読んだのだろうなあ、と。数百円だったが、しかしまあそんなものを拾ってもしょうがない。「東西書肆街考」の特装上製凾付なんてのもあったが500円だったのでやめた。200円なら買うのに。で、ザッと見て、結局四冊ほど。
秦豊吉「芸人」(鱒書房)昭和28年1月15日初版カバ帯500円
福田恆存「劇場への招待」(新潮社)昭和32年11月25日初版カバ100円
北村和男「三島由紀夫 神童の悲劇」(岩波ブックセンター信山社)300円
「寺山修司の戯曲2」(思潮社)カバ月報500円
「芸人」は汚いの持っているが、これは大谷竹次郎や永田雅一の写真入帯文が入った帯付。前に全部読んだがちょっとつまみ読みするのに面白い。福田恆存も、演劇論だし、100円だしということで。三島論のやつは、おそらく自費出版。前に薄汚れたのをどこかで買って既に読んでいるが、けっこう見ない本なので。寺山のやつは、帯欠。集めるってほどでもなく揃えているのだが、これは何故か三巻の月報も挟まっていた。まあ、これというのはない感じである。
それから、幾つか古書店やモールやらを覗き、以下のものを購入。
藤木秀朗「増殖するペルソナ」(名古屋大学出版会)3500円
有本芳水「笛鳴りやまず」(中公文庫)400円
立川昭二「病いの人間史」(文春文庫)400円
小林信彦「回想の江戸川乱歩」(文春文庫)200円
文庫は全てモールで。「増殖するペルソナ」は、定価が高いのでずっと、あれこれと古書で探していたのだが、なかなか安くはない。おそらくこれが一番安いかなあと、買ってしまった次第。仕方なし。この金のない時に、またちょろちょろと買ってしまい、これが結構ズンと響く。