漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

松屋浅草古本まつり

本日は松屋浅草の初日。注文品もあったので午後ゆったりと赴く。正月早々ムンムンと人がごった返しており、暑くて仕方なかった。
ここはまあ、銀座よりは広い。新宿京王よりも狭い。注文したのは、海の人「小説ほとゝぎす 後の武男」(日進堂)明治44年6月初版表紙難あり2100円というもの。あたった。だが、出して貰うと、並製本のノドに近いところが新たに紐で綴じられている。書き込み、印、裏表紙に第二次大戦中に読んだ人のメモ多量、全体的に濡れムレ、口絵がない…だからこその価格だとは思うのだが、初めてコンディションを見てキャンセルしてしまった。今二千円でも惜しい。無論、蘆花「不如帰」の浪子・武男の武男後日談的な二次創作とでもいうのか、そういうやつである。
そしてそんな中買ったもの。


岡本綺堂「明治劇談 ランプの下にて」(岩波文庫)200円
小金井喜美子「鴎外の思い出」(岩波文庫)300円
テエヌ「文学史の方法」(岩波文庫)300円
幸田露伴「努力論」(岩波文庫)200円
猪野健治編「東京闇市興亡史」(ふたばらいふ新書)420円
石川啄木「啄木歌集(一握の砂悲しき玩具合冊)」(東雲堂書店)大正4年3月20日5版裸525円
ほとんど文庫本。テーヌなんか読まぬがこういうのは一応所持しておくといつ使うことになるかわからないし。露伴のも同じだが、明治の修養主義なんか考えるときに使えるかも。鴎外の回想本、岩波文庫で同著者にてもう一冊ある筈だが、お次はそれを安く見つけたい。森家をちょっと押さえておきたいのだ。それから闇市の新書は、昨年五反田で所持金がなく手放したそのものの本である。啄木は今更ナアと思ったが、状態も悪くなく、まあ買ってしまった。初版は大正2年5月10日で、啄木死んで一年くらいか。藪野椋十序文、土岐哀果跋文。木村鷹太郎訳のバイロン「海賊」初版が千円であるも、逡巡し棚に戻した。浪漫派の天才詩人バイロンというような明治期における受容なんかに少し興味あったんだが。
木村直恵「〈青年〉の誕生」(新曜社)1830円
啄木と一緒に写っている上記の書物は、年末にオークションにて落札したもの。まあお勉強用である。そういえば、帰宅してみたら、永福堂から目録が。久々である。