漁書日誌 3.0

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金欠時の古書

いま金欠戒厳令発令中である。
先週からなるべくお金を使わないようにとケチケチしてきたのだが、注文したことすら忘れていた古書がポツンと届いたのが一昨日だったか。西武筑波店古本市の目録で注文した「香具師奥義書」である。安かったので取り敢えず注文を出していたのだ。ちょっと背皮の上下に痛みがあるがあまり気にならない程度。
某氏によれば、この本には背皮で本文伏字無しのとクロス装で本文伏字ありのものがあり、伏字にしたのに口絵が原因で発禁になった由。でも、発禁になるような口絵あったかしら。テキ屋間での隠語とか習慣とか興味があり、この本は以前からずっと欲しくて、前は一万円前後していたものだが、ここ数年は6000円前後くらいでポツポツ見かけるようになっていた。布装の後版が別の出版社からも出ているが、書架に並べるとしたらやっぱりこちらの背皮の方だなあと思っていたのである。だから2000円というのはめっけものであり嬉しいといえば嬉しいが、といっても、この時期の2000円はシビアである。しかも、だ。こういう時期に限って探求書を発見してしまう。注文して、届くのが遅かったりして、ますます状況的にきつくなってから届くものだから支払いもきつく感じる。

和田信義「香具師奥義書」(文芸市場社)昭和4年5月1日発行2000円
鈴木貞美「『日本文学』の成立」(作品社)1890円
コンパニョン「近代芸術の五つのパラドックス」(水声社)2200円

「日本文学」の成立

「日本文学」の成立

近代芸術の五つのパラドックス (叢書 言語の政治)

近代芸術の五つのパラドックス (叢書 言語の政治)

コンパニョンのは新刊書店で売っているがケチって古書でずっと探していたし、鈴木貞美のは先日出たばかりで、気になっていた。そういうのが一気に半額近い価格なのだもの。売り上げスリップすら挟まったままのピンピンの本だったが、こういうのは献呈本が流れたものか。
…さて、幾つか本を売却してこなければなるまい。