漁書日誌 3.0

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金欠時の古書

金欠統制令施行中である。
あたかも新円切り替え時のようにあわてふためき、どの本を書架から抜き出して神保町に売りに行こうかと逡巡していた。手放してもよいかなあというそこそこ金になりそうな本は、しかし、既にない。あらかた売ってしまった。お勉強用の本は売っても金にならぬし、というかライン引きまくりであるし。三島谷崎等々己の研究ネタはさすがに手放せない。また、愛好しており手放せぬというのもある。これは手放してもよいかも、と、思いつつも、いまだ未読にして売りたくないというのもある。
しかしそんな状況になってさえ、やはり古書を買わないと精神衛生上悪い。やはりビョーキなのであろう。数百円単位のものだけだが、最近、ネットオークションにて落札してしまったものが以下だ。

福田恆存「作家の態度」(中央公論社)昭和22年9月15日第一刷背焼表紙少シミ500円
慶應義塾大学文学部開設百年記念三田の文人展実行委員会編「三田の文人」(丸善)カバ300円
紅野謙介「書物の近代」(ちくま学芸文庫)初版カバ180円
掘り出しとかそういうものはない。それなりのものをそれなりの価格でというわけだ。ちくま学芸文庫のは、これは元本を所持していて読んでいたが、本文中の誤りをこの文庫版にて訂正したという。それから「三田の文人」は、前に図書館で読んだのだが、ここにちょっと読み返しておきたい論文が入っていた筈などという思い込みによって購入に至ったもの(しかし思い込みは勘違いで、あれこんな本だったか、と、まあ…)。これ全部でも千円以下だ。金欠とはいいながら、こんなものを買い、なおかつ来週の古書展目録では既に注文してしまっている。病膏肓。嗚呼。
新刊本でちょっと気になるタイトルの本。やはり立ち読みしてみないとよくわからないが。

天皇制と進化論

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