漁書日誌 3.0

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西部古書展


西部古書会館である。本日は西部古書展である。初日は昨日で、日曜まで。高円寺はよいのだけれども、交通費がバカにならない。


高山宏「ふたつの世紀末」(青土社)カバ帯1800円
パトリス・フリッシー「メディアの近代史」(水声社)カバ帯2100円
谷崎潤一郎棟方志功「歌々板画巻」(中公文庫)160円
萩尾望都「11月のギムナジウム」(小学館文庫)100円
アーネスト・ホーブライト「東京ロマンス」(コバルト社)昭和21年10月10日初版カバ160円
注文品は「ふたつの世紀末」。ちょっとこれは読んでみたかったのだが、どうも高山のものはものによるのだがけっこう値を付けているところが多く定価以下のものを探していた。で、「メディアの近代史」は今回買ったものではなくって別にネット古書店に注文したもの。近代国家成立過程におけるコミュニケーションシステム生成に焦点を当てたメディア史関連での文献。まあ文庫はよいとしても、最後の「東京ロマンス」。挿画・藤田嗣治、装幀・東郷青児という豪華メンバー。著者はUP特派員というが、戦時中は海軍に従軍していたという。占領地日本じゃ軍属扱いかねえ。扉には「著名な外国新聞特派員と日本娘の奇しき恋愛物語」とある。戦後まだ一年ですよ、それでこういうのが出版されていたのだなあ、と。どういう視線で描かれているのか。そしてまた占領者側からの東京という都市への視線など気になったので思わず拾ってしまった本である。軍属だったらPXとか行って買い物しているシーンとかあったらなあと思うのだが。軍の施設だからあり得ないか。
まあ、せっかく高円寺まで来たのだから、と、阿佐ヶ谷、荻窪まで徒歩でまわったのだが、結局今後のことを考え何も買わず。金欠統制令は続く。