漁書日誌 3.0

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下町古書展

下町古書展である。
注文品は、唐十郎「腰巻お仙」(現代思潮社)初版函帯1000円だ。電話をして、いつものように抽選の確認をする。今思えばここで怪しいのを感ずるべきだったか。当たりともハズレともいわず、今お店の人がいないのでわからないという。というかそのためのファイルじゃないの(当落を目録コピーしたものに書き入れファイルにしてそれを見て確認する)。どうも口ぶりから、注文自体受けてないことになっているようなのである。しかも向こうからいきなり電話を切った。再度かけ直す。今度は、住所を聞いてくる。いやいやだから、取りに行くと葉書にも書きましたがといい、了解したということで電話を切る。まあこの本、重版帯欠を学生時代の時に買って持っており、単に初版帯というのだけで、千円だしよいかと注文した次第。中に入ってる写真は大道だし。
でまあ、閉場一時間前に会場到着。

何だか新品の文庫本がズラッと並んでいたり、CDが並んでいたりとよくいえばバラエティに富む。でまあ、以下のようなものを拾う。
芥川龍之介「傀儡師」(新潮社)大正13年2月6日12版525円
佐藤春夫「幻灯」(新潮社)大正10年10月20日初版外装欠1050円
石井寛治「日本の産業革命」(朝日選書)300円
そして、唐十郎「腰巻お仙」(現代思潮社)初版函帯1000円である。なんだか知らないが、大岡昇平立原正秋倉橋由美子ら戦後の作家の初版完本がゾロゾロみんな300円くらいでズラッと出ていた。ホントは最初数冊抱えたが、荷物になるのでやめた。「傀儡師」はもちろん縮刷というか柿色表紙のアレの方。知らなかったが、こちらの版は芥川自身の装幀なのね。明記してあった。「夜来の花」の同縮刷重版もあったが、そちらは戻した。「日本の産業革命」は実は今日一番買ってヨカッタ本かも。ちょっと知りたかった、日清日露後の日本の産業バブルの状態をキチッと書いてくれている。それから春夫の「幻灯」も、これ、おそらく凾ではなくカバーが外装だと思うのだけど(知りません。御存知の方ご一報乞う)、よく見る本は背中の羽二重が傷んでいるものが殆ど。これは状態もよいし千円ならば、と。
而して、もう閉場ですという時にギリギリ、会計したのだが、出てきた「腰巻お仙」は案の定、凾背が焼けていた。帯がついてなかったので、受け取って本を出してみると、これまた状態の悪い帯が挟まっていた。まあねえ。でついでに奥付を見た。初版だしまあいいか、と。だが、である。しかも帰宅して先程気づいたのだが、再度奥付をよく見たら、なんだよこれ重版じゃないかしかも5刷・・・自分で確認して気づかず、もう帰宅しちゃったし返品は無理だろうなあ。というか、発行日とか印刷会社とか発行所とかの表記の固まりのところには初版と出ているのだが、ちょっと離れた余白のようなところにポツンと重版表記が印刷してあったのだ。なによこれ。奥付組み直すの面倒だからこういうスタイルにしたのだろうが、出版社の怠慢だよなあ。店もおんなじように気づかなかったのだろうなあ。全く損した気分でゲンナリ
明日は高円寺展。さて、注文品は如何に。