漁書日誌 3.0

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窓展+扶桑

金曜日。窓展初日である。いつもならば、朝イチで列ぶのであるが今日は仕事で行けない。仕事どころか、いろいろと原稿の〆切などもあって徹夜状態でフラフラ。なんとか午前中の仕事を終えて、お次は外苑前へ。13時より映画「美しい星」の試写会。ちょっと話には聞いていたけれども、こういうアレンジでの現代化か、そうきたかという感じで興味深く見た。その後、今度は神保町に向かう。窓展会場に着いたのは16時過ぎ。ザッと会場を見て回り、3冊ほど購入。

尾崎紅葉三人妻」(春陽堂)後篇袋欠明治25年12月23日初版貸本印400円
西谷啓治ニヒリズム」(国際日本研究所)重版凾200円
田中浩「ホッブズ」(岩波新書)カバ帯200円
三人妻」は今回買ったのが下巻だけなので、あとは上巻か。多色刷木版口絵はついていることはついているのだが、折り目で切れてしまっている(断片はある)。その後友人と落ち合ってお茶などしていたら、さすがに眠気が襲ってきてグラグラであった。
で翌日である今日。
先日届いた扶桑書房目録速報で注文した本が早速届いた。「留女」初版凾付12000円とか安いなあと思いつつ注文はせず、他にこれはと注文したものが以下。

水上滝太郎「その春の頃」(籾山書店)大正2年1月20日初版凾欠3000円
泉鏡花「菖蒲貝」(三陽堂出版部)大正7年5月25日5版凾欠3500円
川端康成「感情装飾」(金星堂)大正15年6月15日初版凾欠4000円
滝太郎は、これで胡蝶本の2冊は揃った。「菖蒲貝」はまあ後版で、もともとは植竹書院の現代傑作叢書として出ていたもの。これは三陽堂出版部に移って重版が出ていたのである。川端は、というかモダニズム関係はもういいかなと思ってはいたが、サスガに初期のこれは安いなあと行ってしまった。吉田謙吉の装幀。
かなりお金を使って仕舞った。
そういえば、金曜日に購入した紅葉の「三人妻」だが、奥付を見ていたら、どうも発売当時はふろくとして木版多色刷の栞がついていたようなのである。ここに明記しているということは、欠けているのは不良品ですよということであったか。どういうものなのだろう。