漁書日誌 3.0

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残暑の窓展

本日は窓展の初日。いつものように朝イチに駆けつけるつもり、であった。しかし気がつくと13時過ぎ。ここのところ残暑の湿気と冷房によるのか身体がだるくってあまり調子は良くない。で、このざまである。まあ致し方ないと、ダラダラ仕度して出発。
16時半過ぎくらいだったか、会場到着。
ゆっくり会場を見て回る。あきつ書店は無論だが、けやき書店、かわほり堂の棚が安くて黒っぽいものも多く、あれこれ興味深かった。で、最終的に買ったものは。


夏目漱石「社会と自分」(実業之日本社大正2年3月30日6版凾欠1000円
稲岡奴之介「新聞記者」(駸々堂明治34年3月23日初版、口絵欠300円
末松謙澄・二宮熊二郎訳「谷間の姫百合」1巻(金港堂)明治21年2月背補修300円
ドラクロア「芸術論」(創元選書)昭和14年9月18日初版カバ200円
長谷川町子サザエさん」3巻(姉妹社)昭和32年1月1日初版100円
相馬庸郎「子規虚子碧梧桐」(洋々社)カバ帯200円
漱石のこの講演集は持っていなかったから。重版凾欠でまあまあ綺麗で千円ならというところ。奴之介はちょいと面白そう。本来は木版口絵がついているがこれは欠。それでもまあまあの状態で300円ならば。日清戦争後の羽織ゴロがどんな感じで描かれているのが興味があったため。ドラクロアは、別に「日記」の翻訳が同じ頃に出ておりそれなら所持していたが、こちらのは知らなかった。三島由紀夫の昭和20年代初頭の愛読書で、三島は2分冊になった創元社版ではないものを読んでいたようなのだが、一応おさえておきたい。「谷間の姫百合」は、もちろんバルザックの小説ではなく、バーサ・クレイのDora thorneの翻訳。バーサ・クレイといえば「金色夜叉」の元ネタの作家。1巻と2巻があったが、本来は4冊揃らしい。参考のため1巻のみ購入。
サザエさん」はまあ何の気なしに買ってみたのだが、終戦後の世相を映していて実は興味深い。昭和23年の夏時刻法によるサマータイム導入やら、シベリア抑留ネタやら帝銀事件ネタやらが入っていた。しかし奥付には昭和32年で重版表記無いのだけど、国会図書館のデータを見ると初版は昭和23年8月。重版だのに重版表記をしないのだなあ。
しかし蒸し暑くてぐったり。