漁書日誌 3.0

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「私がこだわった初版本」+趣味展行けず

趣味展、行きたかった。初日は仕事で全く出られず、今日も今日とて昨日の疲労からかグダグダで結局間に合わず。しかしまあ、仕方あるまい、扶桑書房で取り置きしているものがあり、その出費を考えたら、まあ見なかった方がよかったのかもしれない。
その前に、川島幸希氏の新著が刊行された。予約したその本を受け取ってきたのでまずはその本について。


川島幸希「私がこだわった初版本」(人魚倶楽部)平成25年12月1日発行普及版45部カバ5000円
丸背上製、外装はカバーに元パラ。白無地に文字のみのシンプルなデザイン。「日本古書通信」に連載されていた同名エッセイの単行本化である。特筆すべきは、初出時にはぼやかされていた生々しい〝幾ら〟という具体的金額がハッキリと記され、改稿されているということだ。古書に関する種々の蘊蓄にとどまらない近代文学書誌学的知識がちりばめられつつ、バブルから平成にかけての(最上級)近代文学コレクターのドキュメント、古書の海への冒険記としても無類に面白い。
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さて、取り置きしておいた本である。

渡辺霞亭「渦巻」上巻(隆文館)大正2年12月11日15版凾欠
渡辺霞亭「渦巻」中巻(隆文館)大正2年12月12日8版凾欠
渡辺霞亭「渦巻」下巻(隆文館)大正2年12月31日初版凾欠3冊揃12000円

「渦巻」である。惜しくも続巻はない。外装はよいとしても(あったら買えない笑)痛みもある。が、鏑木清方による美麗木版口絵は全てついている。これです、口絵なんです。実は既に重版口絵欠の裸本であれば4冊揃いで所持しているのだが、まあいつかは口絵付で欲しかったものだったのである。探せば、おいそれと手の出せない価格で売っているのを簡単に見つけられるだろうが、まあ今回のような価格であれば…えいや、と。
それから、これは数日前別にオークションで落札したもの。

大藪春彦野獣死すべし」(浪速書房)昭和36年6月10日初版カバ印500円
大藪最初の単行本で、安めだなと思ったら後版であった。元版は講談社刊で昭和33年。でもまあ、カバーデザインがいかにも昭和30年代な感じでこれはこれでよい感じ。装幀は中島靖侃。でもこの感じ、つま先の靴の写真を使った装幀ってどこかで見たことあるなあと思ったら、細江英公の写真で装幀された石原慎太郎の「夜を探すな」だったか(あれは全体的に黒で統一された装幀だが)あれもそうである。もしかして真似たのかしら。

呵呵大将: 我が友、三島由紀夫

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増補新版 愛の新世界

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