漁書日誌 3.0

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夏の渋谷東急

暑いといろいろと気力が奪われる。

先週11日は、山中湖・三島由紀夫文学館での「こころで聴く三島由紀夫V」での「卒塔婆小町」リーディング公演に参加。ちょうど「文学の森フェスタ」というお祭りの一環としてその最終日にリーディングがあったわけだが、その前には三島文学館杯の剣道大会やら、同じく三島文学館主催のボディビル大会などがあった。三島の名を冠したボディビル大会は、実は史上初ではないのかと思う。
で、同じく11日は毎年恒例、東急渋谷での古本市の初日でもあった。ということで初日を逃し、まあ落穂拾いでもという感じで12日に渋谷へ赴く。ザーッと見て何も買う物がなく、せっかくだからと文庫本を1冊のみ購入。中村書店の棚には、日夏耿之介の署名本がゴロゴロし、「署名本の世界」「初版本講義」といった本も普通に列んでいたが、価格は無論それなり。

その後会期中に、ちょっと都内に出たついでに再度覗く。すると、前回は気がつかなかったのか、補充がなされたのか、2冊ほど購入。カーモードはちょっと読んでみたかったので、安めに購入出来てよかった。

阿部昭編「葛西善蔵随筆集」(福武文庫)カバ350円
ティボーデ「小説の美学」(人文書院)凾帯500円
カーモード「終りの意識」(国文社)カバ1400円
一緒に写っている創元社の本は、別にネット古書店で見つけたもの。
大谷晃一「ある出版人の肖像」(創元社)昭和63年12月1日カバ2000円
これは創元社の矢部良策の伝記でもあり、創元社という関西での文学出版がどのようにして成り立っていったのかを追ったドキュメントにもなっている。矢部家の内部資料等を用いた随一の資料本。一応発行元は創元社だが、奥付の発行日の脇に「私家本」と印字されている。どういう経緯で頒布されたのかは知らないが、ここ半年以上ずっと探していた本、ようやく入手。