漁書日誌 3.0

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趣味展全開

ちょっと久しぶりに国会図書館へ調べモノに赴く。
本当なら、国会のようにマイクロ化されちゃっているところではなく、都立中央でホンモノを調べたかったが今工事中では仕方がないということもあり、幾つかの雑誌や本を見に国会へ。だが、「群像」は、マイクロ化が昭和29年度分までで、それ以降は合本されたホンモノが出てきた。マイクロ化されちゃうと、特にグラビアとかもう見られたものではなくなってしまうし、コピー取る立場としては嫌なのだが、まあ。あとは、「古い国新しい芸術」という昭和35年の訪中新劇団の記録本。むかしは真っ赤っかだったんだなあ、と。アハハ。
でまあ、あれこれとコピーを済ませて、ダッシュで神保町に向かう。本日は趣味の古書展、初日。そして西部古書展初日でもある。
しかも、趣味展にて注文していた本三点、全て当たったという。まさか全部あたるとは思わず、ちょっと懐痛し……。
で、会場に到着したのは閉場五分前。ほぼフソーの棚のみ見る。雑誌を拾う。「犯罪科学」創刊号500円、酒井潔連続著述「談奇」4号800円。前者は日夏耿之介など執筆。本当は谷崎の「芸術の一種として見たる殺人に就いて」連載分が欲しかった。

ほかに、上海刊行(とは記してあるが)の「カーマシャストラ」が二冊、各1500円であったがやめておいた。今日は結構よいものがあったのではないか、何だかそんな雰囲気。
で、注文して当たったものとは、以下。

森鴎外「ちりひぢ」千章館、初版凾付8000円
谷崎潤一郎「近代情痴集 附り異国奇談」新潮社、四版3000円
三島由紀夫「沈める滝」中央公論社、新装普及版初版カバ帯1000円

「ちりひぢ」は橋口五葉装幀。函の背がちょっと痛みありだがまあまあ美本。千章館ですものというのがあるのだが、欲を言えば、表紙のこれ、木版画装幀だったらなあと思う人もいるのではないか。まー中身は「舞姫」とか「文づかひ」とか初期の名作だが、確か「舞姫」はこの収録にあたって、かなり重要なテキスト改訂がなされたのではなかったか。「近代情痴集」は、表紙は御覧の通りだが、背の赤はキレイに残り、タイトルと著者名の背文字もちゃんと残っている。いやこれねえ、初版は既にあるのだが、先日、この本の出版広告をあれこれと探していて、それが初版の発売広告が見つからなかったのですよ。新潮社の雑誌探しても、重版が出来たという重版の広告だけで、初版で今度発売というような広告がない。なにゆえか。ちゃんと再版とか三版とか出ているのかなあ。で、「沈める滝」は、帯のみが目当て。三島の本って、いわゆる高い本は幾らもあろうけど、金出せば買える本と違って、こういう当時の新書文庫文学全集系の完本が実は難しい。

いやはや、しかし買ったなあ。懐痛撃という感じでもある。よく考えれば。しかも、会計済ませて、古書会館を出たところで西部古書展の会場に抽選結果問い合わせの電話をしてみたら、何とこちらも当たっている。当たると思っていなかったが、昨日の文庫新書と合わせて、今週だけで、考えるも怖ろしいような浪費をしてるのではないかと、何とも。

その後、外に講談社学術とかちくま学芸とかの文庫をズラッと出している何とか書店を見て、中村正直訳「西国立志編」(講談社学術文庫)650円を購入。そして東京堂に行って、何でも女優の市川実日子が翻訳したというヴェデキントの短篇が出版されたとかいうので、なんだそりゃということで三省堂にて探してみる。あった。市川実日子訳「mine-haha」(リトルモア)。ドイツ語スラスラなのかと思いきや、後記を読むと、下訳を修辞しただけ、ということらしい。へえ。けっこう好きな女優であるので許せるなあ。笑

それからモールなど見て回る。
疲れた。

明日は某学会発表など聞きに行き、途中で抜けて、高円寺に向かい、帰り際には恵比寿の写真美術館で大道展でも見てこようかと思っている。行ってきた友人によると、何でも復刻版のプロヴォークがあった、とのことなのだが、本当か……。しかし消費活動がとまらない。嗚呼。