漁書日誌 3.0

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売却と購入

和洋会古書展、初日。
注文品はない。今日こそは、ということで、いつもよりは少し早めの閉場30分前に会場に到着。

で、ザーッと流して買ったもの、幾つか。金もないことだし、安物ばかりではあるが、それでも合計2800円買った。しかしこれだけでも、今現在は安くない金額の買い物だ。
まずは、これ。

国木田独歩「渚」(大鐙閣)200円。初版は大正5年2月20日だが、これは大正10年4月20日発行の59版。大鐙閣版の独歩作品は六冊出ているようだが、ウチにはこれで三冊目。新潮社の縮刷で持っているのもあるのだが、まあ、この値段だしサイズも小さいしいいかと。

それと、ちょっとお勉強のための資料用にということで、草双紙の端本を。柳亭種彦の「にせ紫田舎源氏」。國貞画。第五編の下巻のみ。これが1000円。巻末に、天保巳春新版として版元の広告?が出ているので、天保4年のものか。というと、御維新の三十数年前。江戸通油町 問屋鶴屋喜右衛門とある。

それから、嵯峨のやお室「姉と弟」(博文館)600円。初版は明治25年1月13日発行だが、これは明治32年10月10日発行の5版。表紙には、「少年文学第八編」とある。

雪だるま作っている子供らの木版画。折り込みの木版口絵の署名は、永洗。なんか和綴じにしてあるが、前の所有者がやたのだろう。でもまあこれで600円ならよいか。
その他桜井忠七「たいこもち」(朱雀社)凾400円とか。
もうちょっとじっくりキューセーの棚を見たかった。ここはよいものが埋まっていそうだ。

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その後、某古書店へ。

こんなものを持参して、売却。
芥川龍之介「黄雀風」(新潮社)の初版凾欠と、サンドラール「黄金」(白水社)初版カバ帯付き。もう一点、角川文庫の永井荷風「腕くらべ」初版帯付極美三冊を売却、なにがしかの金になった(「腕くらべ」文庫の解説は生田耕作で、それの値段なのである)。

「黄金」は、澁澤生田系古書が古書価下落の一途を辿る現在でも、何故か値崩れしていないもののようである。澁澤系でも、初期の完本とか、「貝殻と頭蓋骨」が何故かそれほどな値段。あれは、内容は大したことのないその時々のエッセイだし、本体もただのクロス装だしで、何故前々から古書価が高かったのかよくわからない。帯欠でちょっと痛んだのが2000円くらいなら欲しいかな、というのは今の心境。以前は平気で30000円とかそれ以上していたが……。

しかしその金も、お勉強用の本を買ってしまい、半分は消えた。

今、青山のギャラリーで山田勇男展をしているらしい。今度、限定380部で山田勇男のコミックが出た。今日発売。
[rakuten:book:12869668:detail]
これを買うついでにギャラリーを覗いて来たい。

そして、今、早稲田にて、流山児祥演出でユッキーの近代能楽集をやっているので、これも見に行かないと。