漁書日誌 3.0

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池袋リブロ古書まつり

夕方、池袋に出る。
まずはちょいと以前「日本の古本屋」で注文していた本を引き取りに、光芒書店へ立ち寄る。店舗の半分が、ネット商品の倉庫と化していた。以前はよく通ったんだけどなあ。
で、それからリブロの古書まつりへ。
「ジャパン・アヴァンギャルド」(PARCO出版)を購入。アングラ演劇のポスター集。横尾忠則とか何だとかがシルクで刷ったりしている、天井桟敷や状況やら68/71とかのポスターがデカデカと出ている本。以前、これも池袋西武のアールヴィヴァンだったか、セゾン美術館か、ここでも演劇ポスター展をやって、その時の図録なら古書店で買って持っていたが、まあこれが決定版という感じ。しかしデカイ、判型。A3である。持ち帰るのに不自由なくらい。数年前に寺山修司上村一夫の「上海異人娼館」復刻版という同じ判型のものが出たが、あれと同じで、書棚にも入らず、収納に困る。
で、そんなものを買いつつ、会場では、新書1冊とコミック3冊を購入。コミックは「魔太郎がくる!!」。これで元版コンプリート。コミック関係は弱く、普段殆ど読まないのだが、これは小学校の時に何度も読んだのでノスタルジーのようなものがあって探していたのだ。
で、新書というのが、写真のこれ。

週刊誌研究会編「週刊誌——その新しい知識形態」(三一新書)1958年12月20日発行。210円で購入。

いやこの新書、前から実は探していたもので、安く入手出来てよかった。
昭和三十年代の週刊誌メディアについてだったら、この本と、文春新書の「週刊誌風雲録」で勝ったも同然でしょう。笑

週刊誌は、もちろん、戦前からの「サンデー毎日」とか、「週刊朝日」とかあるわけだけど、何故出版社ではなくて新聞社しか出していなかったかというと、まあ新聞販売網を使ってというのと、キオスクというか駅の売店、これは新聞社が当時独占状態だったということもある。で、まあそれに殴り込みをかけたのが「週刊新潮」、昭和31年12月だったか。これポシャッたら社が傾くということでもの凄い事業だったらしい。苦戦しつつもなんとか週刊誌業界に地歩を固め、続いて他誌も続々登場、昭和三十年代はまさに週刊誌の戦国時代のような状況だったそうだ。「週刊東京」のほうが早かったかも。
でも、昭和三十年代中頃になると、いわゆる女性週刊誌も出てきて、「女性7」とか、「女性自身」とか、出てくる、と。今じゃあゴシップの殿堂みたいなものだけど、いやはや、「女性自身」なんか初期の頃はかなり社会派で凝っている。いつだったか、三島由紀夫有吉佐和子の「いじわるデイト」なんていう対談企画が掲載されているので、「女性7」創刊号を古書展で拾ったことがあったのだが、他の細かい記事などもよく見ていくと、グラビアの記事とかに、野坂昭如なてクレジットがあったりして、作家デビュー前の小遣い稼ぎかしらん。当初は「女性セブン」ではなくて「女性7」で「7」にルビでセブンとあった、とか、もうどうでもよいトリビアを知ったのだけれども、まあ、週刊誌もこの頃のものはなかなか面白い。「自身」はライターに草柳大蔵とかがいたかも。それは「週刊明星」だったか。あー、こんなに記憶曖昧では何も使えない。
今日も、会場に一山、週刊誌の山があったので、本当はじっくり、手を真っ黒にしながらもいちいち目次確認して漁りたかったんだけれども。「週刊朝日」や「サンデー毎日」なんかに混じって、昭和三十年代の「週刊大衆」とか「週刊実話」とか、「週刊実話特報」とか、「weekly平凡パンチ」とかあったので…。昭和三十年代のマイナーゴシップ週刊誌は探そうと思ってもなかなかないしねえ。

ということで、大した収穫のない古書展。そうそう、明日の神保町は……と、思ったが、どうも明日は本部古書会館、ない様子。