ようやく採点地獄が終わり、ヘトヘトになってあとは来季の準備とそれから休みの間中に原稿を書かなければならないという流れ。古書展は、最近はこれというものもなく。閉場1時間前くらいに会場到着してざっと回る。
佐藤佐太郎「海雲」(短歌新聞社)昭和46年4月10日250円
鷲田清一編「大正=歴史の踊り場とは何か」(講談社選書メチエ)カバ帯700円
「ベンヤミン メディア・芸術論集」(河出文庫)カバ帯900円
他に新刊書などで買わなければならない本やらネット注文してしまったものもあり、これだけ。佐藤佐太郎は実は読んだことがなかったので。
大島逸平「古本売買の実際知識」(古典社)昭和6年7月20日4版函欠490円
ノエル・キャロル「ホラーの哲学」(フィルムアート社)定価
「古本売買」は何かの参考文献で出てきて、検索したら安かったので、国会のデジコレで中身を確認してから注文。「ホラーの哲学」は刊行後、ケチなことにずっとネット古書店やら何やらで探したが送料含めたら定価と同じというので東京堂にて定価購入。
高安月郊「高安の里」(書物展望社)昭和年月日初版函300円
たまたま買ってみたもの。というのも自伝的エッセイ部分で読書しているシーンがあるか探索していたのである。ちょっと原稿用のネタなのだが、明治期の文学青年が詩集を読む回想録を探している。しかしまあこの本、一応書物展望社が版元だが、函には一才その旨の表記なく、裏表紙に空押ししてるのみ。月郊が金だした自費出版的な本かなあと。表紙は面取りされていて木版だし凝っている。
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書きそびれていた先日行った映画やら芝居のことなど。
2月11日に赴いた。三鷹で下車したのは、もしかしたら初めてかもしれない。とりわけ初期のオブジェ作品などは初めて見るものばかり。また状況劇場やら寺山の芝居のポスターの原画などもなかなか感慨深いものがあった。
で、せっかく三鷹くんだりまできたのだからと三鷹の古書店を検索し、水中書店を覗いてみる。綺麗で広い印象。そしてなかなかのお手頃価格で、あれこれと逡巡して結局何冊か買ってしまった。
ドフラーヌ「対独協力の歴史」(文庫クセジュ)カバ300円
酒井道夫編「編集研究」(武蔵野美術大学出版局)帯ビニカバ500円
そして翌週は東京都写真美術館ホールでの恵比寿映像祭で飯村隆彦の特集を見に行く。
活字ー近代日本を支えた小さな巨人たち展@横浜歴史博物館に赴く。が、初めて乗った路線、初めて下車する駅で、ギリギリ入場ラストの16時半に間に合わず。仕方なく物販で図録だけ買って帰る。そしてそのまま横浜へ。
夜は神奈川芸術劇場での地点公演「騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!」(エルフリーデ・イェリネク作、三浦基演出)を観劇。
帰宅してみると扶桑書房目録で注文した本が届いていた。
尾崎紅葉「紙きぬた」(春陽堂)明治25年5月14日初版破れ袋付8000円
綿貫六助「霊肉を凝視めて」(自然社)大正12年2月13日初函5000円
「活字」展図録ポスター付1800円
紅葉のは袋目当て。資料用。そしてなんといっても嬉しいのは綿貫六助。なかなか出ないだろうなあと思っていた矢先の出物だったんでドンピシャであった。
2月は2週に渡って古書展がなく、鬱憤を晴らすが如く扶桑目録が来る前にネットで前から安く欲しかった本を買ってしまっていたのである。
斎藤磯雄訳「火箭・赤裸の心」(立風書房)昭和49年8月10日函5800円
限定150部の背革天金装で訳者の毛筆署名入り。段ボールの外函は欠。で、届いてみると、これ革なのかとどうにも不審。装幀は前川直だが、前川は同じ版元で吉行淳之介の「薔薇販売人」も装幀をやっているけれどもあれは一見革のように見えるクロスであった。で、今回のも実際に手にしてみると、どうにも革ではなく革っぽいクロスのような感じなのである。どうなんだろ…。