漁書日誌 3.0

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花粉の3月

昨日届いたマケプレ購入した本と、今日ちょっと繁華街に出た際にのぞいた古本屋で買った本、新刊書店に立ち寄って買った本など。

田中英夫「洛陽堂河本亀之助小伝」(燃焼社)779円
山口謡司「日本語を作った男」(集英社インターナショナル)1660円
山本太郎「詩の作法」(現代教養文庫)270円
これらはマケプレ購入本。洛陽堂の本は、昨年の今頃出た本で大注目であったが、急ぐ本ではないしそのうちと思っていた。やっと購入。ほかはお勉強用。

混同浩一路「漫画坊つちやん」(新潮文庫昭和10年8月25日35版150円
高階秀爾小松左京「絵の言葉」(講談社学術文庫)280円
「逸話に生きる菊池寛」(文藝春秋)2刷150円
古本屋に立ち寄って買った本。菊池寛のやつは、「菊池寛生誕百年記念」と脇にある。非売品の創業者礼讃本。いろいろな文献からエピソードを集めてきてまとめたもの。式典などで配布したものだろうなあ。非売品配布本の文春本は他にも持っていた筈。漫画坊ちゃんは、前々からその存在は知っていたが、中身はこういう感じなのだな。

右にエピソード、左に絵(これはラストの部分)。いわゆる今でいうコマ割りした漫画とは異なる。円本で出た漫画大系なんかもそうであった。しかしこういうの、ハッキリ言えば名作ダイジェスト絵双紙というか。幕末明治初頭の草双紙、明治合巻から、大正期の「絵画小説」(というのがあったのだ)、大正末から昭和初期にかけてのこういう「漫画」、そして戦後の例えば明星・平凡なんかにも出ていた映画物語とか名作物語みたいなもの(つまり話題作ダイジェスト絵解き版)って、ずっと血脈として継続しているなあと思う。「文章倶楽部」にも似たようなのあったように記憶するけれども、明治合巻あたりからの流れでキチンとマンガ研究やら文学研究でやっているものってあるのかしら。
あと、新刊で以下を購入。

どれも気になる本。しかし新書といえども新刊を3冊かうとけっこうなお値段である。とりわけ「日本ノンフィクション史」は気になる本。
で、帰宅して見ると古書展/店で顔なじみである多田蔵人さんより本が献呈されて届いていた。

多田蔵人「永井荷風」(東京大学出版会
これは著者の「永井荷風研究—江戸文化の受容と「小説」の創出」という博論が南原繁記念出版賞を受賞し刊行されたもの。着実な研究として素晴らしいものであるばかりでなく、古書仲間としても今回の受賞と出版を心から嘉したい(後記での愛書狂への言及が心憎い)。
永井荷風

永井荷風