漁書日誌 3.0

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趣味展、暑い。

趣味展である。
しかし暖かくなったものだ。今日はTシャツにワイシャツその上にミリタリジャケットといういでたちであったが、場内の熱気で汗みずくになった。いつものように開場20分前くらいに来ると、普段よりも2割増しくらいに行列が長い。老夫婦や外人さんもいた。無論、開場後はしばらく扶桑書房の棚を漁る。いつものような押し合いへし合い、ちょうど欲しいところの「中央公論」明治末期から大正初年くらいまでのがザーッとあったのでドサッと抜いて調べるも欲しい号は無し(欲しい号など関係なく全部いくには、金もなければ場所もない)。アカギ叢書も30冊くらいズラッと列んでいたが、ろくろく見る前にまとめて全冊抜いて買っている人が居た。今日は「新青年」のちょっと痛んでいるのもけっこうあって、雑誌はいろいろあった印象。まあ予算も限られているし、あれこれと格安なものもあったけれども、逡巡して最終的に以下のものを購入。

三昧道人「松花録」(吉岡書店:新著百種7)明治22年12月27日奥付欠400円
島崎藤村「一葉舟」(春陽堂明治34年7月27日再版裏表紙欠1000円
姉崎正治「脚本 瀧口入道」(春陽堂明治39年4月30日初版印400円
中島万次郎「オイケンの哲学」(アカギ叢書)大正3年11月1日16版200円
新著百種のは、三昧道人こと宮崎三昧の。本文最終頁の裏が奥付なのでデジタルライブラリのをプリントアウトして挟んでおく。おそらく初版しかないのではないか。それから「瀧口入道」は御存知樗牛のだが、脚本にもコロタイプ印刷の英朋の口絵がついている。これは昭和28年の日付のある「都立日比谷図書館」蔵印があるがちゃんと「払出図書証明」の印も重ねて捺してある。払出の日付は95年だけれど、こういう古い本も出しちゃうのだな。「一葉舟」は中村不折画。お次は戦後の。


福田恆存「近代の宿命」(東西文庫)昭和22年11月30日初版カバ痛400円
高峰秀子「巴里ひとりある記」(映画世界社)昭和28年3月5日再版凾1000円
ベッカー「美のはかなさと芸術家の冒険性」(理想社)カバ300円
榎並重行他「『新しさ』の博物誌」(JICC出版)カバ500円
一番嬉しいのはデコちゃんの著書か。前にも凾付を買ったがコンディション悪くもっとキレイなのを欲しかったのである。この「巴里ひとりある記」にせよ、「まいまいつぶろ」にせよ、高峰秀子の世界映画社から出た単行本は著者自装・挿画で、これがまた洒落た感じで気に入っている。
以下、最近気になる本。

久保田万太郎――その戯曲、俳句、小説

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三つの新体制――ファシズム、ナチズム、ニューディール

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文藝的な自伝的な (銀河叢書)

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谷崎潤一郎対談集 - 文藝編

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橘小夢画集: 日本の妖美

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映画とは何か(下) (岩波文庫)

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メディアはマッサージである: 影響の目録 (河出文庫)

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裏面: ある幻想的な物語 (白水Uブックス)

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