漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

週末二連続ならず

岡崎京子展@世田谷文学館、に行ってきた。

三月いっぱいやっているが、またギリギリになったり忘れて行き損ないそうなので、ふと思い立ち行ってきたのである。図録は一般書店でも買えるので買わず。90年代の初頭にチラチラ読んでいた。展示物では、代表作の原稿なんかよりも、細かな雑誌での仕事やインタビュー記事なんかの方が面白かった。
で、ザッと岡崎京子展を見てから、そのまま高円寺へと移動してついでに西部古書展に行こうなどと考えていたのだが、まあ世田谷文学館に着いたのが遅く閉場一時間前の17時、古書展も18時で閉場なわけでどだい間に合うわけがなかった。ついでに、というので、同時にやっていたコレクション展である下北沢クロニクル展というのも見てきた。下北沢に関係する作家や作品なんかの展示である。朔太郎の無削除ではなく削除版であろう献呈署名本『月に吠える』初版なんかも萩原葉子関係ということで展示されていた。
でまあ、このまま帰るのも、折角世田谷くんだりまで出て来たのだし、ということで、芦花公園駅から「たてバス」に乗って荻窪駅へ。この「たてバス」いままで知らなかったのだが、中央線と京王線っていわば平行に伸びているわけだけれども、これを縦に突っ切るような路線がなく、いちいち新宿だの吉祥寺だの出て乗り換えでというのが面倒(例えば西武新宿線であれば、新井薬師駅から中野駅までは徒歩10分くらいだろう)だったので、こういうバス路線があるのは助かる。
でまあ、荻窪まで来たならささま書店かということで向かい、チラッと覗いて数冊購入。

千葉成夫「ミニマル・アート」(リブロポート:アール・ヴィヴァン選書)カバ帯1575円
江藤淳「近代以前」(文春学芸ライブラリ)カバ帯525円
工藤美代子「スパイと言われた外交官」(ちくま文庫)カバ420円
「ミニマル・アート」は適価で探していたので嬉しい。このアール・ヴィヴァン選書では、他に「パフォーマンス」というのが類書が少なく重宝した。それから、ささま書店、いつの間にか入り口すぐのところの文庫の棚、前は岩波文庫ちくま学芸文庫といった風に文庫のレーベル別で並べられていたのだが(一部小説家のものなどは五十音順)、文庫のレーベル関係なく、作家名五十音順とテーマ別で並べられていた。ワタクシ的には前の方が見やすかった。
ところで、昨日が初日であった下町展も行っている。夕方から用事があったので早々に切り上げたのだが、2冊のみ購入。

江藤淳「作家は行動する」(講談社)昭和34年1月20日凾帯200円
江藤淳「批評家の気儘な散歩」(新潮選書)200円
「作家は行動する」だが、見てみるとこれ石原慎太郎装幀であった。慎太郎は絵を描くというのは知っていたけれども、昭和30年代に他者の本の装幀までしていたというのは知らなかった。凾の装幀画(油絵の抽象画)がそうなのだが、本体の装幀がある種凝っていて、写真ではわかりづらいけれども、これはタイトルを白抜き印刷したものではなく、帯状に黒い皮が貼付してありそこにタイトルが白く箔押しされているというもの。へえ、まだまだ出版社に余裕があった時代なのだなあというものである。