漁書日誌 3.0

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朝夕は肌寒い日の趣味展

趣味展初日。注文していた楠瀬日年「候べく候」(梅田書房)限定300部4500円はハズレ。一万円超えるくらの価格でならたまに見かけるが、やっぱりケチケチ五千円以下で欲しいところ。今回も開場の20分前くらいに到着し列に並ぶ。10時開場。扶桑書房の棚中心に漁る。今日は「中央公論」の大正半ばのものがザッとあったのだが欲しい号は見つからず。気づくのが遅く既に誰かに買われてしまったのかもしれないが。明治末期の「すばる」「新小説」などもあったが、結局欲しい号でない限り千円はなあと手放す。漱石や芥川の元版も安くあったが、逡巡の末に痛みのある初版凾付なども手放す。途中昼飯に出たりしたが、結局購入したのは以下。

二葉亭四迷「其面影」(春陽堂明治41年5月20日3版800円
坪内逍遙内田魯庵編「二葉亭四迷」(易風社)明治42年8月1日背少痛1500円
紅葉原著・風葉脚色「脚本 金色夜叉」(春陽堂明治38年7月8日3版背補修500円
生田長江「最近の小説家」(春陽堂:現代文芸叢書8)大正元年10月1日6版表紙欠300円

蕗谷虹児「悲しき微笑」(交蘭社:虹児画譜2)大正14年9月15日11版凾1頁欠2500円
ワイルド「サロメ」(アカギ叢書)大正3年7月28日6版綴紐300円
島田清次郎「地上 第二部」(新潮社)大正9年7月20日14版1000円
「苦楽」創刊号(大正13年1月)800円

太宰治「桜桃」(実業之日本社)昭和23年7月25日初版1500円
小穴隆一「二つの絵」(中央公論社)昭和31年1月30日初版カバ400円
中島健蔵編「小説の秘密」(中央公論社)昭和31年11月5日カバ帯
中島健蔵編「続小説の秘密」(中央公論社)昭和31年12月10日カバ2冊揃300円
千葉三郎編「後藤宙外 目で見るその生涯」(後藤宙外翁顕彰会)昭和55年10月31日凾500円
福田恆存「作家の態度」(中公文庫)カバ200円
「其面影」は扉にサインがあることから鰭崎英朋装幀と思われ、コロタイプの多色刷口絵は川村清雄。易風社のはご存知四迷の追悼本で副題は「多方面より見たる長谷川辰之助君及其追懐」。漱石鴎外ほかが寄稿。「最近の小説家」は表紙がないが読む分にはよいかと。そして「地上第二部」はようやく入手。これで1部から4部まで「地上」は揃った。中身が連続していないので1部読んでそのままになっていた読書がこれで再開出来る。「苦楽」創刊号も嬉しいところ、創刊号付録は既に所持しているのでこれで完本か。虹児画譜もこれで2冊目だが、全部で四冊出ていた筈。文庫と後藤宙外本は他の店の棚より。
会場にて、古書仲間であるカトウジン氏が今度出した、

尾形亀之助拾遺集「かなしい月」私刊、私家版限定100部
を直接ご本人から頒けていただく。全集未収録および書誌未記載の作品を編んだもので表紙絵も亀之助のものの由。小冊子ではあるが貴重なものであろう。委託販売もしているとのこと。
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お、これが文庫に。あとがきのみ立ち読みしたら、元版も二刷でちょこっと中身改訂しているらしい。所持本は一刷。文庫買うか。
最近読んでグッときたもの二冊。
境界の町で

境界の町で

誰も懲りない

誰も懲りない