漁書日誌 3.0

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和洋会のほか

本日は和洋会古書展の初日。注文品もなく、夕方、閉場45分前くらいに会場到着。ザーッと見ていく。コレというわけでもないが、2冊のみ購入。その後、小宮山書店に行って文庫本を買い、久々に東京堂へ行って新刊書を買う。

福田恆存訳「サロメ」(新潮社)昭和33年10月30日カバ800円
高階秀爾「芸術空間の系譜」(鹿島出版会SD選書)凾300円
ドナルド・キーン「ドナルド・キーン自伝」(中公文庫)300円
千葉俊二他編「日本近代文学評論選明治大正篇」(岩波文庫)300円
三島由紀夫「幸福号出帆」(ちくま文庫)カバ帯400円
清水文吉「本は流れる」(日本エディタースクール出版部)カバ帯980円
福田訳の「サロメ」は、岩波文庫から新訳打診を受けて訳していたら豪華なバージョンを別に出したくなって新潮社が引き受けてくれたという。いい時代だ。続く文庫3冊は小宮山書店で購入。「幸福号出帆」は、帯目当て。これで、ちくま文庫の三島シリーズはあと1冊残して全部帯付初版で揃うのである、だからなんだという話だが。いわゆる初版本よりも近年のこういうものの完本の方が難しい。最後の「本は流れる」は、幕末から明治以降そして戦後までの出版取次流通の具体的な歴史の本で、ネットオークションで購入したものだがなかなか面白そうである。とりわけ明治大正期に興味がある。一緒に写っている巌頭之感の絵葉書もそうで千円した。ちょっと欲しくて探していたのである。当初は名物的に観光地の売り物として機能していたと思うが、自殺の名所になっても困るしダークイメージになるだろうから、おそらく早々に操君関係絵葉書は売られなくなったと思うのだが、となるとやっぱり明治のものかなと。
今日東京堂で買った新刊書は以下。

精神論ぬきの保守主義 (新潮選書)

精神論ぬきの保守主義 (新潮選書)

「経験の条件」は、これは文春学芸ライブラリ全体にいえるのだが、やっぱり高額文庫であって、ちくま学芸なんかよりも高いイメージ。古書で安くと思っていたがなかなか見かけないので。宇能鴻一郎の純文学新刊(!)が「夢十夜」。自伝ベースのうえで谷崎と三島が妙な形で出てきたりする、著者の芸術論でもあるようななんともいえないような作品。宇能鴻一郎のポルノではない初期の純文作品とかって前からぽちぽち買っては読んでいたが、それから幾年月、なんかまあすごそうな世界にたどり着いたようである。
本当は以下も買おうかと思っていたが、次回にしようと今回は買わず。
明治の表象空間

明治の表象空間

霊術家の黄金時代

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薄明鬼語―西村賢太対談集

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