漁書日誌 3.0

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倉田啓明など

本日は所用で愛書会古書展には間に合わず。
その代わりといってはなんであるが、ある自費出版の冊子を出した発行者の方に会い、直接それを頒布してもらった。それが以下である。

「富ノ沢麟太郎文集」(私刊)500円
「倉田啓明文集」(私刊)500円
こういうものが出ていると知ったのはネットでである。簡単に言えば、著作権の切れたものを、自ら手で入力し冊子としたというもので、それだけならばそういうファンもいるのだなあと思うくらいだったかもしれない。今回購入したのは、単行本未収録の作品が今回の冊子に収録されているから(まあ、発行者もそれが狙いだったに違いない)。
まずは富ノ沢麟太郎だが、収録作4篇のうち、「十六桜」「秋情一景」以外は沙羅書店版の「富ノ沢麟太郎集」に収録されている。この「十六桜」(「中央文学」大9・1、ラフカディオ・ハーンの翻訳)と「秋情一景」(「文藝春秋」大14・5)という戯曲については今まで単行本に収録されず、知られていなかったものか。
倉田啓明の方は、「稚児殺し」(「ARS」大4・9)と「地の霊」(「新小説」大1・12)を収録。前者は亀鳴屋版の作品集に収録されて既読であったが、後者については知らなかった。詳細は発行者のブログで。残部の委託販売に向け、鋭意準備中との由。
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結局古書展に間に合わなかったというのもあり、帰り道に古書店などに立ち寄って以下のような文庫新書を購入。