漁書日誌 3.0

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しみはずれ

さて、本日は紙魚展である。
注文品もあった。大手拓次「藍色の蟇」(ARS)8400円というのと、板垣鷹穂「機械と芸術との交流」(岩波書店)初版凾付4500円だが、両方ともハズレ。しかし「藍色の蟇」が8400円というのはバカ安ではないのかと思っていた、後者ももちろんそうだが。だが目録には気になる記述があり、(家蔵本)とある。いや、そんな記述は奥付にもない筈だし、これはそう旧蔵者が書いたのか、それとも、革装のあれじゃなくってまるきり別の装幀に変えてしまってそう書いてあるのか……。もし当たってそんなのが出てきても困るし、と、問い合わせてみても、結局よくわからなかった。まあ注文殺到だったのではなかろうか。といっても、国会図書館に閉じこもっている間に古書展は間に合わなくなってしまったのだが。
しかし、今日は国会である人の雑文を集めたエッセイ集を、その中の一つの文章をコピーしようとしたのだが、いちいち文章の末尾に初出年月の表示があり、コピー出来なかった。エッセイ集といえども、作品集であり、雑文ひとつでも全部はコピー出来ないとの由。そうなのか? 目次に1章2章と章立てがあり全体で一つの作品となっていない、又は書き下ろしでない場合は独立した作品を集めたものという。そんな。こんなの今まで幾らでもここでコピーしてきたのだが、そんなこと今までいわれたことないぞ、と。共著だったらわかるけど。

ハルオ・シラネ他編「創造された古典」(新曜社)カバ帯2800円
ピエール・ダルモン「医者と殺人者—ロンブローゾと生来性犯罪者伝説」(新評論)カバ3850円
ということで、今日は何も買えず。これはお勉強用にネット古書店やネットオークションで落札したもの。特に後者は探していた本で嬉しい。92年に出た本だのに、これネット古書の相場は10000円以上するようである。マケプレとかいうのが皆そんな価格なのだ。ひねりにひねった価格をどこかが付けると、これが相場かと思って右習え、それでもって誰がそんな価格で買うのかという幽霊相場が出来るという典型的な例だろう。負けてたまるかと一年以上探し回ってようよう入手にこぎ着けた。

追記。一緒に記そうと思っていたのにうっかり忘れていた。先日地元の古書店にて買ったもの。

江馬修「一作家の歩み」(理論社昭和32年6月初版カバ少汚500円
あの「受難者」の江馬の自伝である。プロ系になってからはまるきり興味もないのだが、自然主義時代の苦労話などはなかなか興味深い。横山大観の家の書生となろうとしたが失敗、次には花袋の家に居候し…また、その頃自然主義を目指す人間がどんなものを購読していたのか等々文章も読みやすくスラスラ読める。
そして土日開催の中央線古書展。一点だけ注文していたのだが、ハズレた。グルッペ21世紀編「これがアングラだ!」(双葉社)1000円である。しかしこれが当たっても、取りに行く交通費がこれの三倍くらいかかるという現実。