漁書日誌 3.0

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図録!

展覧会図録で、ずっと、安めに欲しいと古書店を探しているものがある。かつて池袋のセゾン美術館でやった未来派展のである。大体いまのところ古書相場は一万円前後。確かに、未来派関連って、何故かよい書物がないような気がする。ファシズモに繋がるから忌避されている云々とどこかで読んだ記憶がある。かつてパルコ出版で出た邦訳書で未来派の本があるが、あのくらいではないか。いや、専門書みたいのはあるようだが、もうちょっと図版沢山の概説的でもある本が欲しいなあという状況にあるのは、なにもワタクシだけではないのだろうと思う。だから、この未来派展図録は高い古書相場なのだろうと。
最近はたかが展覧会図録といってもなかなか凝った造本のものもあり、印刷も昔に比べるとグンとよくなり、解説、論考、資料満載な感じで、おおこれはというものは欲しいところ、なるべく気を付けるようにしているつもりなのだ。昨年だったかにここに書いた、京都の若冲展の図録なんかその典型であろう。あれも篦棒なプレミアがついたが、最近はようよう落ち着いてきたようだ。一昨年だったかの暁齋展の図録など重版していたし、人気図録はどんどん重版してもらいたいものである。そういえば、前に松濤美術館でやった、シネマとカフェと怪奇のまぼろし展の図録なども、会期終了早々妙なプレミア価格になっていたが、確かにあの内容では人気が出るのも頷ける。
で、先日ネオダダ展の図録については記したが、なんだかいつの間にかかなりプレミアがついている図録がある一方、実はそういうものは開催した美術館に問い合わせるとまだ在庫を定価であるいは在庫処分価格で通販してくれる、ということがままあるのである。
先日、広尾の都立中央図書館へ行って来たが、ここは開架にかなりこういった展覧会図録があり、便利であることはもちろんだが、展覧会の名前は聞いたことがあるような、しかし、図録はけっこう立派なものだったのか的発見を改めてしたような気がする。
これちょっと欲しいなというのをメモって、後で検索してみると、まだ在庫があるじゃない、ということで今回注文したのが、これ。

図録「誌上のユートピア 近代日本の絵画と美術雑誌1889-1915」2400円
図録「「生活」を「芸術」として 西村伊作の世界」1050円
前者が2008年、後者が2002年のものだ。おそらく後者は在庫放出価格なのではないかと思われるのだが、これなど既にネット古書店を検索すると五倍の値段をつけている店もある。しかしまあ送料がけっこうかかるのは仕方ないか。まずは古書、だがプレミアついている場合は在庫確認、これだ。