漁書日誌 3.0

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安い文庫本

うっかりと寝坊したせいで、神保町の愛書会古書展も五反田の遊古会古書展も行きそびれてしまった。

で、散歩がてらに、近所にある中古屋に行ってみる。
どうもチェーン展開している店舗のようだが、よくはわからない。中古の本、コミック、ゲームソフト、CD、DVDを売っている店で、ついでに、携帯用品だのゲーム機だの新品DVDだのも扱っている。
本は、ブックオフに近い感じで、中古本が隅っこの方のスペースに治まっている。上製本は、隣接するアイドルやらの写真集と同じ分量のスペース。それを倍くらいにした文庫本&新書のスペースがある。

ここには、過去4回くらい来ただろうか。たまーに、文庫本などで最近の小説やらを買ったことがある。ケチって定価では買わない、そういうことだ。
で、今回もそれほど期待せず見ていた。上製本の方は、何も買うべきものはなかった。同じく、という感じで文庫本を見ていたのだが、以前は、出版社別に文庫が列んでいた。新潮、文春、講談社・・・。
それが、今見てみると、バラバラになって、著者別とやらになっている。出版社別になっていれば、まあ有象無象の文庫よりも、まずは岩波文庫とか講談社学術(ほとんどないが)など、背表紙で区別しやすく取り敢えずはそこはちゃんとチェックしないと、という具合で見ていたものだ。が、それがバラバラになってみると、一応どこになにがあるかわからないので全部みないといけなくなる。
それで、今回拾ったのは、写真のこれら。

価格は、200円、150円、100円、50円、30円。上からの値段である。

■200円/小坂国継「西田幾多郎の思想」講談社学術文庫寺山修司あゝ、荒野河出文庫杉山隆男「兵士に聞け」新潮文庫
■150円/小谷野敦「すばらしき愚民社会」新潮文庫高峰秀子「人情話 松太郎」文春文庫、曾野綾子「わが恋の墓標」新潮文庫
■100円/「旧約聖書 創世記」岩波文庫
■50円/木田元ハイデガー存在と時間』の構築」岩波現代文庫
■30円/森茉莉恋人たちの森新潮文庫
200円の、西田と寺山は取り敢えず。「兵士に聞け」は新品で買おうと思っていたが安く見つかってよかった。150円の、小谷野のは目次を見て面白そうだ、と。曾野綾子のは、以前NHKで放送され録画しておいた寺山修司脚本のTVドラマ「かもめ」の原作小説である短篇が表題作で、前から一読しておきたかったもの。「創世記」やお茉莉のは取り敢えず拾っておいたのだが、木田のハイデガー解説書は、まさか50円なのかと。先日古書店でこの十倍で買おうと思っていた。それでも500円くらいなので、まあケチである。
しかしこの値段配分、こういった手合いの店での価値順序を如実に示しているようだ。ちなみにどれも疵やら折れ目などもなくピンピンに近い状態。比較的新しめのものが高く、新しめであっても、ここではハイデガーなんぞはほぼ商品価値ゼロなのだろう。
しかし困るのはこの値札のレッテルで、講談社学術文庫のような、つるつるしたビニルコーティング?のカバーなら問題ないのだが、新潮文庫のような紙質のものだと、剥がす時に接着剤の成分が多量に残る。あるいは、一緒にカバーがビリビリと破けてしまう。
しかし、こういうものが売っていただけよいのかもしれない。その地域で買い取ったものを陳列しているのだろうから、それを反映した品揃えになるのだろうが、いわゆるベストセラーものや一寸前に流行ったような本ばかり、あとはミステリもの(西村京太郎とか和久俊三など)とか、タレント本などそういうものばかりだったので、8冊も買うことになるとは思ってもみなかった。
さて、明日こそは古書展に行きたい。