漁書日誌 3.0

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古書はじめ

今年もよろしくお願い申し上げます。
さて、今年の古書はじめは、正月2日に届いた「滑稽演説会」。年末にネットオークションで落札したもの。見ての通り明治20年代初頭のボール紙本である。今日、年明けに注文したものが届いたので、それと一緒に。

漫言居士「吃驚仰天 滑稽演説会」(薫志堂)明治21年5月23日800円
土屋礼子大衆紙の源流」(世界思想社)カバ2158円
「滑稽演説」は著述家から娼妓、哲学者、喫煙家から宗教家からと種々の人々が皮肉混じりに各々の業界?をぶった切る演説をぶつ、という体裁のもの。著述家のところをチラチラ読むと、著述家の腕は筆ではなくてハサミだ(即ち、過去の他人の著作や新聞記事をいかにパクって来るか)とか書いてある。文士はゴロツキみたいな扱いもむべなるかな、である。
もうひとつの明治小新聞の研究は、前々から適価で欲しかったものだが、ここのところやけにプレミア価格になってしまったようで困っていたもの。「日本の古本屋」よりもマケプレでお安く見つけ購入した次第。前は「日本の古本屋」でも2500円くらいだったのでもっと安くないかと思っていたのだが、いつの間にかググンとプレミアがついてしまって途方に暮れていたもので、本当は1500円くらいで欲しかったがいってしまった。

こちらは耽美探究誌「薔薇窗」26号。ご恵送いただきました。感謝です。
なんと言っても、石川貴一監修・石田仁作成「『薔薇』解題/目録」には注目。「薔薇」は、「ADONIS」後継的な位置取りのアンダーグラウンド雑誌。戦後アドニスカルチャーの重要な資料でもある。確か編集長?の大川辰次は、映画「憂国」を酷評し三島から直接会いたいと云われ身構えたが、正直に言ってくれて実に嬉しいと意気投合したようなエピソードがあった筈。
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