先週の七夕展は土曜日にチラと下見を覗いたが、今年はこれと注目するような出品もなく、吉村貞司宛三島由紀夫書簡を手に取り見てきたくらい。
で、今週は愛書会。注文品もない。夕方覗いてザッとまわる。
結局買ったのは中公文庫三冊。各200円
一緒に写っているのは、三島由紀夫作「鹿鳴館」台本で、先日出先の古本屋でたまたまみつけて買ったもの。
三島由紀夫「鹿鳴館」(文学座演劇研究所)台本200円
でもこれは普通であればあり得ない台本なのである、三島・文学座決裂後の「鹿鳴館」文学座台本。三島由紀夫と文学座は、周知のように昭和38年の「喜びの琴」上演を巡って対立、三島らが集団で脱退。が、「鹿鳴館」は杉村春子の十八番でもあって、その後文学座サイドは上演許可を申し込んだこともあったが許可は得られなかった由。三島没後の話だが、杉村主演での上演を未亡人に持ちかけたところ、三島と一緒に退団することになった方もいらっしゃるので云々ということで許可は下りなかったという。江守徹を影山にした上演も考えていると前に戌井市郎さんにうかがったこともあったが、既に戌井さんもおられない。今ならどうなのだろうか。ということで、本公演ではあり得ない台本であるが、養成所である文学座演劇研究所の非公開公演?(あるいは単に練習用で上演もなかったかも)としてならば別にあっても不思議はないという台本なのである。なんて、こんなことに興味を抱く人間なんていないよね。
それから三島歌舞伎特集をしている「演劇界」8月号(7月5日発売)にチラッと執筆しております。どうぞよろしくです。
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そういえば、
『一万年後も君は世界で一番美しい』三島由紀夫『卒塔婆小町』より8月9日〜16日@東京芸術劇場シアターウエスト
脚本/畑澤聖悟 演出/中屋敷法仁 出演/早乙女太一+松田美由紀
この公演が三島由紀夫「卒塔婆小町」を元にしたものらしい。でもこの場合、脚色して台本は別人名義だから、「原作」扱いになるのかしらん。
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