漁書日誌 3.0

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土曜日の趣味展

昨日立ち寄った古書店の主人は、今回の趣味展はたいしたものなかったよ、とお客から聞いた、と、私に告げた。そして昨夜友人からの電話では、今回の趣味展はかなりよかった、との話。このよかった、の基準が、もちろんコレクターそれぞれ大違いなので、こういう話は一概になんともいえないのだが、この場合、ワタクシの好みを知っている後者の話を信用しないわけがない。ということで、ちょっと期待していた今回。
まずはちょっと仕事関係の調べモノで国会図書館へ。そこで終戦直後の「世界評論」だの「東京タイムズ」だのコピーしたり。そして、気づくと16時15分頃だったので、急いで図書館を出て、猛ダッシュ永田町駅半蔵門線ホームへ。もう汗ダラダラ。身体クタクタ。そして神保町駅からもダッシュで古書会館へ向かう。16時45分会場到着。
で、注文品もなかったのでザーッと見る。

やはり扶桑はよい。友人の話に聞いていた、佐藤春夫の「病める薔薇」再版、昨日の話だからもうないかなと思っていたが、最終日の終わりというのに売れ残っていた。初版裸も重版凾付きも持っているけれど、思わず購入。この作品集好きだもの。

佐藤春夫「病める薔薇」(天佑社)大正7年12月10日再版、凾欠1800円
尾崎紅葉伽羅枕」(春陽堂明治26年9月29日印刷5版、裸、口絵欠、400円
というかさ、「病める薔薇」重版凾欠って普通この倍してもよいと思うんだけどなあ。これが売れないってどうなの。そして「伽羅枕」。いやさあ、確かに露伴とか今すんごい人気ないけれどさ、露伴よりはまあアレな紅葉でさ、一応名の知れた作でさ、元本で状態もよくてさ、口絵がないってだけで、この値段でやっぱり最終日売れ残っているものなのか・・・。いや、口絵付き重版美本持っているけれど、それでもしかし安価で購入出来て嬉しい。読み用だな。
しかしまあ、硯友社だからってことでもないでしょうに。硯友社では鏡花だけか。嗚呼、明治は遠くになりにけり。てなこといってると「クズだからクズみたいな値段なんだよ」と仰る御仁もここの読者にはいるかもしれないが、でもよいのである。ワタクシは満足。この調子でバンバン口絵欠のいいところが出ないものかしらん、安価で。
それからまあ、ちょっと明治立身出世関係への興味で「福翁自伝」なんて買ってみたり。

福沢諭吉福翁自伝」(時事新報社明治40年10月5日23版、200円
それから、文庫、新書など。
藤原てい流れる星は生きている」(中公文庫)200円
テレンス・ゴードン他「マクルーハン」(ちくま学芸文庫)300円
アンジェロス「ドイツ・ロマン主義」(文庫クセジュ)200円
「映画批評」1970年12月号、200円

流れる星は生きている」って終戦後、ベストセラーになった本だよね。確か。「映画批評」は毎度お馴染み、この辺は集めているので。
それから会計を済ませ、田村を覗く。あれこれ見てから、結局田村の外台にて、「草の花」を買う。
福永武彦「草の花」(新潮社)昭和29年4月15日初版カバー、1200円
これはちょっと元版が欲しかったので。
それから東京堂に立ち寄り新刊チェックしてから、今度はモールへ。ここでは新書を二冊。
川添裕「江戸の見世物」(岩波新書)250円
藤竹暁「事件の社会学」(中公新書)100円
これにモールサービス券を出して200円引きだったので150円で購入。