漁書日誌 3.0

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狂った日曜日

今日は京橋の国立フィルムセンターでやっている特集「長谷川一夫衣笠貞之助」で、あの「狂った一頁」(1926)が上映されるのでこれは必ず見に行かなければ、と前々から決めていたのであった。

だが雨。
却って雨のせいですいていたらラッキーだな、などと思っていたのだが、そんなことはなかった。結構混んでいる。8〜9割方埋まっていたと思う。運良く、後の方の中央付近の席に座れた。
まず最初は、「月形半平太」(1925)。
14分の断片。パテベビー、という、パテー社で出していた家庭用?カメラによる短縮版。ラストは、手傷を負った半平太が、潔く切腹、その血で襖に辞世の句を書いていた。
で、休憩なしで続けて「狂った一頁」。

タイトルバックのロゴが凝っている、とにかく。昭和50年のサウンド版だが、綺麗なプリントでいやあ、よかった。やっぱり、予め川端名義で発表されたシナリオを改めて読んでいったが、よくわからない、後半が。シナリオは「映画時代」の1926年7月号掲載。

翌月号には「狂った一頁」合評座談会が掲載されているが、これに出席している衣笠が、結局これはストーリーを追うものではないから、といっていた。まあそうだろうなあ。そんなことより、これは前々から思っていたが、特に前半の嵐の夜のもの凄い勢いの編集が凄まじく、あれほどのものは今時でもなかなかないのではないか。

しかし、何故「狂った一頁」はソフト化しないのだろう?
是非DVD化してもらいたいものだ。

で、上映後、一旦帰ろうとしたが、折角なので、映画における文学展などの展示を見てきた。
京橋駅から出た時は、結構な勢いで雨が降っていたが、フィルムセンターを出ると、銀座界隈にふりそそぐ雨は、もうポツポツ程度。


「狂った一頁」は、あと来月18日の19時から一回だけ上映。本当は、今回の特集で衣笠の「十字路」をやる。無論これもかならず行くぞと思っているのだが、ああ悔しいことに、どうもスケジュール的にいけそうにない。「十字路」は、29日の日曜17時からと来月17日16時からだが、後者は仕事で完全無理、日曜に行きたいのだがどうも芝居と重なってしまう・・・あー、くやしい。
しかも、今日、チラシを貰ってきたら、なんと今月末から来月にかけて、小ホールのほうでは、pffの昔の作品をやる企画上映がある。
石井聰亙の「突撃!博多愚連隊」とか、なんと、松井良彦の「錆びた空缶」もやるじゃないの! 昨年だったか、シネマ下北沢でやった時に見逃していたので、これは見たいと思ったら、平日昼間しか上映がない………。佐野和弘や平野勝之のpff作品なんて、これも見たいのだがナア。いかんせん平日昼間では動きようがない。