漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

特選古書即売展のみ

コロナの影響で、靖国通りの古本まつり、すずらん通りのブックフェスは中止。しかしながら、古書会館での特選は開催と。ということで、今日は特選の初日、朝イチで向かう。しかし地元のバスがかなり遅れ気味であったせいで、開場後に到着になってしまった。しかし今日は寒い。一寸前までTシャツでよかった気候が急に冬といった塩梅。しかも今日は雨。開場直後はけっこう人はいたが、まあ普通の即売展の朝イチくらいの混み具合か。

あきつを始めとして午前中はじっくりと見る。お昼はマルカにうどんを食べに行き、一服してからリバースを漁ってお会計。

f:id:taqueshix:20211022224941j:plain

中村正直訳「西国立志編」(自由閣)明治20年5月2日3刻400円

福地桜痴「増訂 もしや草紙」(日報社)明治21年11月22日1頁欠コピー補300円

森鴎外訳「寂しき人々」(金尾文淵堂)明治44年7月20日400円

西国立志編」は総クロス装だったので。「もしや草紙」は中に多数挿入されている石版挿絵が面白かったので、1頁コピーで補ってあるが問題なし。「寂しき人々」は前々からこの元版が欲しかったがケチケチして見送っていたもの。少し見返しに痛みがあるがこの価格は破格だろう。

f:id:taqueshix:20211022225013j:plain

永井荷風「歓楽」(易風社)奥付欠再製本300円

谷崎潤一郎「芸術一家言」(金星堂)大正11年10月20日初版凾3000円

北村兼子「ひげ」(改善社)昭和4年3月5日凾欠少痛500円

「日本名作小説」第1集(昭和23年10月15日)300円

「歓楽」は発禁本。ボロボロのは既に持っているが、奥付欠で再製本とはいえこれは安いだろうと。それから「芸術一家言」、もちろん、既に初版凾付は所持しているのだが、これは異装本。普通このシリーズは布装で背題簽なのだが、これは紙装。実はこの紙装本、背が真っ二つに割れた凾欠本であれば持っていたのだが、凾付は初めて見た。しかも黄色い凾。そしてちょっと面白資料を発見。

f:id:taqueshix:20211022224851j:plain

f:id:taqueshix:20211022224900j:plain

「砂絵呪縛 第二篇」台本(無刊記)400円

土師清二を原作とした阪妻プロの映画「砂絵呪縛 第二篇」(高橋寿光監督、1927)の活弁用台本かと思われる。大塚映画社の印がある。表紙の8の印は第8巻からという意味。ちょっと面白いし、この安さなら参考資料として持っておきたいと購入。

他にもいろいろと面白そうなものがあったが、ケチケチしてこれだけに絞ったもの。

********************************

以下は、ネットオークションで落札したもの。

f:id:taqueshix:20211023025552j:plain

齋藤磯雄「ボオドレエル研究」(東京創元社)昭和46年6月30日限定200部凾外凾2100円

生田耕作訳「初稿 眼球譚」(奢灞都館)昭和52年11月5日初凾3000円

「ボオドレエル研究」は欲しかった特装。総革装天金、著者署名入り記番。特装といっても普及版を総革装天金にしただけのような本。外箱もあるがボロい。ああいう無粋な段ボール外箱を書棚に並べたくない…そして「眼球譚」の方は奢灞都館の本のなかで一番好きな装幀。この本には2刷もある。既に所持しているが少しでもキレイな状態を求めて買ってしまった。こちらの出費もあるので会場では控えめにしたというのもある。