漁書日誌 3.0

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雪の中、実験映画

1月14日、東京国立近代美術館にて最終日を迎えた「美術にぶるっ!」展の第二部「実験場1950」にて、関連映画上映があるというので雨の中わざわざ午前中に赴いて来た。

10時半より上映で幾つか作品が上映されたのだが(グラフィック集団「キネカリグラフィ」や松本俊夫「銀輪」などは既に見ていたし)、お目当てだったのがドナルド・リチーの実験映画「し」「秋絵」だけ見られればよいと少し遅れていった。お目当てのこの二作は、DVDドナルド・リチー作品集にも未収録。とくに「し」(1958)などは、その濡れ場シーン?なんかは、三島由紀夫憂国」(堂本正樹監督)の夫婦のベッドシーンの演出に近いものを感じた。影響関係ありやなしや。
で、肝心の展示だが、これも第一部は見ずに第二部のみ見る。会場でも映画がビデオ上映されており、亀井文雄「流血の記録 砂川」、ドナルド・リチー「LIFE,LIFE.LIFE」、松本俊夫「白い長い線の記録」、細江英公「へそと原爆」などを見た。今回の目的は、リチーの映画もそうだが、図録と一緒に出た論文集を買うことでもあった。単なる図録というより論文集である。出版コードもないし品切れたら大変だ、と。

論文集「実験場1950s」(東京国立近代美術館)2200円
左のがそうである。これがかなり興味深い(一緒に写っているちくま新書「学問の技法」、季刊「iichiko三島由紀夫の文化学」は帰りに購入したもの)。しかし今奥付みてみたらちゃんとISBNコードがついていた…。
そして美術館から外に出ると大雪そして吹雪なのであった。