月曜日夕方、扶桑書房古書目録が届いた。幾つか欲しいのがあったが、既に売れてしまっており、結局、注文して本日届いたのは以下の二点。
三島由紀夫「真夏の死」(創元社)初版カバ帯4800円
広津柳浪「風流士官」(金港堂)明治37年8月10日初版末尾二葉欠3500円
「真夏の死」は安くなったものである。早速所持していた帯欠本と取り替え。帯付きの完本はやっぱりいままでは手が出ない価格だったし、今回こういう値段で入手出来てよかった。この本は、再版の時は版元の創元社が東京創元社となっていろいろ改変があったようで、並装の本になってしまうのだが、表紙デザインは同じだし紙型も同じだろうなあきっと。初版の在庫分なんかは表紙もぎ取って再版に流用したんだろうか。
それから「風流士官」は、ほかにも徳田秋声やら柳川春葉やらも書いている「軍事小説」という金港堂の日露戦争中のシリーズものの一冊。今回の本は外装がないが、おそらくカバーではなかろうか。口絵が一葉あるのだが、これはコロタイプ印刷か。サインがないので誰の絵かは不明。奥付と作品末尾のページが欠落しているが、その部分のコピーが添付されていた。注文した後、こんなのはコピーをつければいいやと思いつつも、検索してみると国会図書館にないようで、あれれどうしようと思っていた矢先だっただけに嬉しい。完本だったらまあ手の届かない価格であったろうし。日清戦争の時は、確か鏡花にもおとぎ話風のでこういうのあったと思ったけれども、日露の時の戦意高揚小説というかそこらへんを追っかけた研究書ってあるのかしらん。硯友社と日露戦争とかって面白そうだと思うのだが(知らないだけで既にあるのか)。