漁書日誌 3.0

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田園の憂鬱

先日の、「都会の憂鬱」カバーを紹介した日記で、前にここで紹介した「田園の憂鬱」のカバー……などと書きながら、ここでそんなことはしていなかったことが判明、というか、単なる勘違い、ということで、ネタもないので今回はこれを紹介、という次第。

佐藤春夫「田園の憂鬱」(新潮社)大正13年7月10日12版カバー付(初版は大正8年6月20日発行)

まあ「病める薔薇」の改作版(カバーにあるように字句訂正プラス増補)というわけです。でもそのくせ、改訂前の「病める薔薇」(天佑社)は大正9年4月20日に4版を刊行しているし(6/27付参照)、まあ版元が違うから、天佑社の方が売れるなら出来るだけ売っちゃいたいというのがあったんでしょうねえ。もちろん、「病める薔薇」の方は他に「指紋」なども入っている短篇集だし、そもそも違うものだといえば違うのですけれど。まさか、新潮社版刊行後の天佑社版テキストには改訂の手が加わっているのか……調べてみると面白いかもしれません、やってみるか。

で、これがご存知、窓カバー。これが痛むんですよね、古書だと。革題簽は良い感じなのですが、革が痛んじゃっているものなども見かけます。これも3000円くらいだったと思いますが、初版だとやっぱりその5〜6倍くらいするのかしら。