いろいろま理由でゲルピンであり、趣味展目録で一点欲しいものがあったのだが自重した。そして趣味展初日である。
いつもよりはちょっと早め、9時40分くらいには会場に到着しただろうか。一服してから列び、9時50分には地下の会場前にギュウギュウとなる。10時開場。扶桑書房の棚をじっくり見て行く。そうすると、目録注文を諦めた本が結局注文がなかったのか並んでいる。手に取り逡巡する。
途中、お昼に抜けて古書仲間らでマルカうどんに行き青唐辛子醤油漬けうどんを食べてから田村書店を見て、ミロンガで一服してから再度会場へ戻る。
改めて確保の品を吟味して、また会場を見て回り、最終的に購入したのは以下。
モーパッサン三宅松郎訳「女の髪」(カナメ叢書)大正3年8月15日3版400円
イブセン山口徹編「復活の日」(世界名著文庫)大正3年10月10日3版400円
城しづか「薔薇の小径」(宝文館)大正13年10月10日3版凾欠4000円
星加公士「麗人九条武子夫人の芸術と生涯」(太平洋書房)昭和4年10月18日初版裸1000円
夏目漱石「木屑録」(岩波書店)昭和8年3月15日帙3000円
「薔薇の小径」は城夏子の本。夢二の多色口絵「著者小照」のほかに2色刷の挿絵が7枚入っている。装幀も夢二。これで結構な出費になってしまった。カナメ叢書、世界名著文庫というのはアカギ叢書のモドキ追随本。青年学芸社のエッセンスシリーズとか世界文芸叢書チョイスシリーズなんかもそう。植竹書院の文明叢書とかは個人の創作メインだけれども、梗概をコンパクトにってのはまあアンチョコ本である。これがヒットし求められたという需要は、後の円本ブームの下地なのだろうなあ。「木屑録」は復刻ではなく本物。解説、訳文の冊子もついて状態も悪くない。「俳諧師」美本カバー付再版1500円買っておけばよかったか。