漁書日誌 3.0

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扶桑書房古書目録平成23年夏季号+α

結局所用があり顔だけでも出そうと思っていた窓展にはイケズじまい。神保町に出て幾つか古書を見て回ったのにもかかわらず一冊も購入せず。浪費せずよかった反面寂しいような。せっかくなので神保町画廊にて村田兼一写真展を見てきた。
それでまあ、昨日届いたのが恒例の扶桑書房夏期目録。限定100部記番および所持者記名(あらかじめワタクシの名前が記番と共に記名されている)で、20万円(林原耕三宛「羅生門」出版記念会案内葉書)〜250万円(荷風「夢の女」新声社版猪場毅宛長文識語署名入と岡本増進堂、精華社版外装付き初版3冊)の商品全14点というものである。無論ワタクシに買えるようなものはないが、鮮明なオールカラー写真と詳細な解説文があって、目録というよりは資料として一級品である。ほかにも例えば漱石の「道草」反古草稿とか北園「火の菫」特製12部番外2部本とか太宰「駆け込み訴え」とか藤村が自らの筆名について語ってる明治30年の書簡とか「現代短篇小説選集」全4冊揃とか、見ているだけで面白い。こういう後々まで読んで楽しめる古書目録というのはなかなかないものだ。正にこの目録にパラがけしてしまいたいほどである。



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ところで以下は、昨日やら今日届いた本。

嶋中鵬二遺文集「日々編集」(私家版)2001年4月3日凾500円
岸江孝男他「東大全共闘から三島由紀夫へ」(明文書房)定価
「日々編集」はご覧の通り「中央公論社の80年」と同じく「日本の文学」のような装幀。判型がちょっと大きいけれども。エッセイや対談座談、嶋中の思い出寄稿とか。安く見つけられてよかった。そして後者の三島本は今年1月に出た本。不覚ながら全く知らなかった。