漁書日誌 3.0

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神田古本まつり青空掘り出し市・特選古書即売展

さて、青展である。
金曜日に赴いたのだが、土曜日は朝一番から仕事で出かけていたので今から記す。

で、青展の古書展は、毎年、朝一番には赴き、だいたい先頭から十番以内には並んで、開場と共に鬨の声をあげて会場になだれ込みあきつを狙うということをしていた。ここ7年くらいである。
が、今年は幾つか抱えている仕事に緊急事態が惹起したこと、翌日に大仕事があり準備等で余裕がなかったことが災いし、午後、しかも四時頃に会場へ到着という状況であった。
無論、これといって期待も出来ない。まあここ数年凋落の一途を辿っていた青展初日の拾いもの合戦だしよいか、などと負け惜しみをいってみる。
今回、目録注文品はない。本当は、上田敏海潮音」(本郷書院)五版カバ付8000円というのにいこうかどうか散々迷ったのだが、近時金欠特例によって却下。
それでまあ会場だが、ザーッとまわって、主に千円以下の品物ばかりを買う。

谷川俊太郎「二十億光年の孤独」(創元社)昭和27年6月20日初版、カバ帯欠、印、500円
加藤康司「辞書の話」(中公新書)200円
十一谷義三郎「通百丁目」(改造社昭和9年5月20日初版、カバ欠、1800円
太宰治信天翁」(昭南書房)昭和17年11月15日初版、カバ欠、背少欠300円

矢田挿雲「地から出る月」(東光閣)大正13年7月24日4版、凾欠、900円
谷崎潤一郎原作「仏訳詳註 無明と愛染」(白水社昭和2年9月5日初版、裸本、600円
永井荷風「墨東綺譚」(八木書店)昭和31年1月1日限定500部記番、裸本、500円
劉建輝「魔都上海」(講談社選書メチエ)400円

「二十億光年の孤独」とか「信天翁」は値段につられて買ってしまったものだが、「無明と愛染」仏訳などは美本でよかった。実は木版装幀だし。それから八木で復刻した私家版「墨東綺譚」もまあ、どうかなあという感じ。「地から出る月」は以前友人に教えて貰い、ちょっと読みたかったもの。まー、「通百丁目」のみ1800円だが、この値段ならよいだろう。そういえば、背が痛んだ二葉亭訳「浮草」初版凾欠が1500円とか、花袋「妻」元版初版凾欠3000円とかは、迷ったがやめた。

結局会場には一時間半くらいおり、その後、ホントにザーッとだけ外のワゴンをみたが、ザーッと過ぎてよくわからん。瀧田夏樹「川端康成三島由紀夫をめぐる21章」(風間書房)500円を拾ったくらい。

で、まーこういう日に例のフソー目録も重なってくるわけで。しかし、こちらは数点欲しいものがあったものの、金欠特例にて無注文。もう少し余裕があったら買っていた。

そして明日は、抱えていた大仕事も一段落したので、神保町へ出る予定。すずらん通りのブックフェアが気になるからだ。