漁書日誌 3.0

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リブロ池袋春の古本まつり

いままであまり初日には駆けつけなかったような気がするリブロ池袋古本まつりだが、しかしそんなこともないか。以前、池袋西武のイルムス館の脇の階段のところに並んだことがあったような気がする。あれはもう四、五年くらい前だったろうか。だが、会場には一度も行かないということはなかった。結構拾いものがあるからだ。所謂初版だなんだというのとは別に、お勉強用とかで使える本とか。あれ今日は池袋西武じゃないのと思い出したのが、今朝六時五十四分。待てよ、会場が十時とすると、今から寝ないで仕度して出発すれば……とも思いきや、そこまでしてまた生活リズムが大いに狂うと困る、と、結局二時間ほど眠り正午過ぎに家を出る。まあ、注文品もあったのだ。
ということで、久方ぶりのリブロ古本まつり。夕方他で用事があったので正味一時間ほどしか見られなかったが、これがまあ今日が祝日だからであろうか、会場はかなり混んでいた。でまあザーッとまわる。といっても、結構急ぎ目にまわっても一時間ではまわりきれず。よく考えてみると、かなり会場は広い。で、そんな中で拾ってきたのは、以下。

渡辺保忠臣蔵—もう一つの歴史感覚」(中公文庫)200円
三浦雅士「主体の変容—現代文学ノート」(中公文庫)200円
内田芳明「風景の発見」(朝日選書)300円
雑誌「夜想」18特集・フィルムオブセッション500円
ウムまあ全部お勉強用だ。あと数百円安ければ買うというのが幾つかあったが、やはりいま時買い控えが吉のような気もしないでもない。それに全部みられなかった。これはおそらく確実にまた池袋へと行くのであろうなあ。そうそうそれと、今回目録注文していた本があった。岡本綺堂「江戸子の死」と長谷川伸瞼の母」(新小説社)初版凾10500円だが後者はハズレ。

岡本綺堂「江戸子の死」(改造社)凾少痛昭和2年4月3日初版3150円
ちょっとまあ凾が痛んではいるけれども、この値段はお安いと思う。これまた綺麗な小村雪岱木版装幀。写真じゃちょっと分かりづらいのだが、本体平から背にかけての紫のグラデーションがとてもよい感じではある。まあ戯曲集なので人気がないとかあるのかもしれないが。
で、一枚目の写真に写っている茶色の冊子は別に今回のリブロとは関係のないもの。先日ネットオークションで落札した冊子である。出品者が古書店であったので、送料などケチって帰りに立ち寄り直接持ってきたのものだ。
「奇術に賭けた人生—阿部徳蔵氏の横顔」(東京アマチュア・マジシアンズ・クラブ)昭和46年10月17日発行限定版565円
安い。これ、実は国会図書館にもないもので、未見の書物だったがこの値段ならということで。マジシャンの阿部徳蔵についての冊子である。そう、「日本奴隷史」(芳聚閣)著者の阿部弘蔵を父に持ち、戦前、天覧奇術三回の経験を持つ本邦マジシャンの草分け阿部徳蔵である。谷崎とも知り合いで、大正の末に横浜で知り合ったという。谷崎でということならば、例の、せい子とくっつけようと一時期思っていた大坪砂男こと和田六郎、実は警視庁鑑識課に奉職していた人だが、この人もこの冊子の発行元であるTAMCに所属していたという。因みに阿部徳蔵は明治22年生まれの昭和19年没。