漁書日誌 3.0

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筑摩叢書ふゆものがたり

本日の仕事場の最寄り駅、その商店街の一番奥にひっそりと古書店がある。久々に立ち寄ってみる。そこで、こんなものを買う。

中谷孝雄「梶井基次郎」(筑摩叢書)420円
宇野浩二芥川龍之介」(筑摩叢書)315円
シェイクスピア「冬の物語」(旺文社文庫)262円

ちょっと必要あって、梶井の簡単な伝記はないものか、そういえば中谷孝雄にあるみたいだけど筑摩叢書に入ってるのかあ、と、今朝ネットで調べたところであった。ちょっと高かったか。でもまあ、こういうのって、この位の値段なら、いつ使うかもわからないし、よいよね、ということで芥川もついでに購入。筑摩叢書の伝記シリーズでは、あと「志賀直哉」も持っていた筈。筑摩叢書は結構よいのが出ているんだけれども、例えばジャン・ルーセの「フランスバロック期の文学」とかエウヘニオ・ドールスの「バロック論」とか、ジェーン・ハリソンの「古代芸術と祭式」とかジョージ・スタイナーの「悲劇の死」とか、とかとか。
今は、以前の筑摩叢書的役割をちくま学芸文庫が担っているという風にみて大方外れてないと思うけれども、しかしねえ、筑摩叢書と違って、ちくま学芸文庫は一旦品切れると篦棒なプレミア付けて流す輩が多いから、なんだかやっていられないなあというのもある。文庫化してくれるのは嬉しいのだが。そういえば、上記のうち、「フランスバロック期の文学」は学芸文庫化してない。
ちくま学芸文庫化希望リスト
グスタフ・ルネ・ホッケ「迷宮としての世界」(美術出版社)
ロザリンド・クラウス「オリジナリティと反復」(リブロポート)
エルウィン・パノフスキー他「土星とメランコリー」(晶文社
大場正明「サバービアの憂鬱」(東京書籍)
ピエール・プルデュー「芸術の規則」(藤原書店
山本武利「百貨店の文化史」(世界思想社
松浦寿輝「表象と倒錯」(筑摩書房
例えばこんなのはして欲しい。最初の二冊は単行本持っているけれども。
それでまあ、あと「冬の物語」。どうもこれ「冬物語」の方がしっくりくるような気がするのだが。これ、白水uブックス版しかないのかなあと思ったら、こんな旺文社文庫で出ていたのか、と、今回初めて知った。ちくまの松岡和子訳で出ていたらなあとも思うが、マイナーだし。古書展で逍遙訳買ってきてもナアということで、まあ入手出来てよかった。実は最近まで全く読んだことがなく、こんなピュグマリオンものとはつゆ知らず、昨年舞台を見てはじめてこんな内容の芝居というのを知った次第。ということで読みたかったのである。
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翌日追記。
上記に挙げた「冬の物語」であるが、本日新刊書店へ行ったら、ちくま文庫で松岡和子訳の「冬物語」が列んでいた……なんでこうもタイミングが悪いのか。嗚呼。

冬物語―シェイクスピア全集〈18〉 (ちくま文庫)

冬物語―シェイクスピア全集〈18〉 (ちくま文庫)