漁書日誌 3.0

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夕立の古書店

土曜日、午後17時半。
外はまだ明るい。明度はあるがダークな色合いの空。これはそろそろ来るなと思われた。そんな中、いつも覗いている古書店へ。既にその時からゴロゴロと遠雷が聞こえてはいた。入店後3分くらいして、バケツをひっくり返したような土砂降り。
傘はない。
さて、どうしたものか。取り敢えず棚を見よう、ということで、いつも目を通している棚をじっくり見る。
大したものはなかったが、こんなものを拾った。

中公新書:清永孝「裁かれる大正の女たち—〈風俗潰乱〉という名の弾圧」250円
中公文庫:谷崎潤一郎「鍵」160円
旺文社文庫岡本綺堂怪談集「影を踏まれた女」250円。
新書のは、あれ、こういうの前に買ったよなあ、そしてタイトルに惹かれて読んでみたら、つんまなくて放り出したなあという記憶が過ぎり、何ともだったのだが、目次を見るとどうもその本ではないらしい。「鍵」は、単に文庫だが中身が単行本と同じ体裁で挿絵も全点収録されているので。綺堂のは、ちょっとこの辺の怪奇系をそのうちにおさえないとなあと思っていたのでちょうどよかった。

会計後、レジ番をしていたご主人のおかみさんから、ボロいから返さなくていいよ、ということで、傘を頂いた。感謝。外は既に、弱い雨になっている。店から少し駆け足気味に、駅の方へ。
そして、駅のホームで電車を待つ頃には、すっかり雨も止んでいた。