漁書日誌 3.0

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我楽他宗+池袋三省堂古本まつり

3月5日、多摩美まで赴いた。武蔵美はかつて学生の頃に図書館でやっていた展覧会を観に行ったことがあるが、多摩美は初めてである。それというのも「我楽他宗——民芸とモダンデザイナーの集まり」展を見るためにである。翌日が最終日だというし、来場者のみにパンフを配布するという。小田急橋本駅からバス。17時までだが、16時半過ぎのバスで向かう。山の斜面に拡がっているコンクリ打ちっ放しのモダンなキャンパス。小雨が降ってきたなか駆け足で向かう。入場無料。カラーで71頁ある立派な図録だが、おそらく販売しないということでお金が出ているのだろうし少部数なので1人1部までとなっているのであろう。我楽他宗、つまり三田平凡寺(三田林蔵)である。変人・平凡寺の集めた文字通りガラクタ、発行物等々の展示で、大正から昭和にかけての趣味人のネットワークなどもよくわかる展示。とくに黄金仏陀と称して、糞便を型に取り金を塗布したものの実物が展示されていた。1尺4寸。

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で、17時閉館。即、踵を返して今度は池袋へ向かう。

三星堂書店池袋本店古本まつりに向かうのである。緊急事態宣言中だが、普通に開催。ただしいつもは21時までやっているのが19時半閉店。ここは、なかなか面白い棚があるので人気で、いつも朝イチで行列が出来る。18時過ぎに到着してザッと見ていく。幾つか抱えてお会計。

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橋本忍私は貝になりたい」(現代社)昭和34年3月25日初版500円

早船ちよ「定稿版 キューポラのある街」(理論社)昭和38年3月初版凾500円

上坂冬子「楽しいBG講座」(集英社)昭和41年7月10日初版カバ500円

図録「小出楢重の粗描/小出楢重谷崎潤一郎」凾1000円

昭和30年代資料としてけっこう買ってしまった。「キューポラ」はなかなか面白くて、原作本ではなく映画がヒットしてからの改訂版。本文中に映画スチールなどが入っている。まさにメディアミクス本。それから小出楢重の図録は角背上製で段ボール凾が突いている。小出へ宛てた谷崎書簡などがカラーで入っていて面白い。

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そのままジュンク堂へ向かって、「みすず」(1+2月合併号)とロザリンド・クラウスアヴァンギャルドのオリジナリティ」(月曜社)を購入。

「みすず」は読書アンケート特集で、拙著「谷崎潤一郎と書物」を挙げて下さっている人がいるというので購入。鈴木一誌氏と武藤康史氏のお二人である。学会誌は別として、一般紙誌の書評では全く取り上げられなかったので、たいへん嬉しい。感謝です。

それとロザリンド・クラウスのは、「オリジナリティと反復」の新訳版。むかし日本の古本屋を毎日検索して、半年くらいかかってようやく古書で購入したことがある。これは買っておかないとということで新品購入。

 

みすず 2005年1・2月合併号

みすず 2005年1・2月合併号

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