漁書日誌 3.0

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立ち寄り土曜

本の散歩展古書展。初日の昨日は仕事で行けなかったので、2日目の本日、ちょいと覗きに行く。もっとよく見れば細かいものがありそうであった1階ガレージだが、雑誌を2冊。その後、2階の会場にいき、ザーッと。注文品はない。今日は出版関係の回想録やら社史やらあれこれ目についた。大毎の社史とか500円なら買えばよかったかもしれないが、きりがないしお金も節約したいと買わず。結局、以下のものを購入。

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桜井均「奈落の作者」(文治堂書店)昭和53年8月25日凾500円

雑誌「南北」「猟奇画報」「日本近代文学」各200円

「南北」は寺山戯曲の初出。「奈落の作者」は、もうとうに図書館で読んでいたのだが、千円以下でという縛りを自ら課してもう15年くらい探していた。1500円くらいで買えるのだが、ケチの骨頂である。これは御存知、表題作であるエッセイが倉田啓明について語っている。また北島春石が柳川春葉の「生さぬ仲」の代作をしていたことなどもこの本で知った。それから昭和初期の「犯罪科学」あたりも200円でゴロゴロしていたが、状態が悪いので見送る。ただし、藤沢衛彦の雑誌「猟奇画報」は、パラパラ見てみると橘小夢「河童」が口絵だったので購入した次第。

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確か、戦前に出た英訳版谷崎選集の口絵にもなっていなかったか。戦前からちゃんとこうして他のメディアでも紹介されていたのだなあと。夢二美術館が大分前に橘小夢展をやったときのカラーコピーで作ったパンフを持っているのだが、そのパンフで詳しいことを知った(このカラーコピーによるパンフも実は2種類ある)。

それから、今日棚で見つけてちょっと掘り出し気分になったのがこれ。

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京都風俗研究会編「表現派図案集」(内外出版)大正11年帙入2000円

大判の帙に入り、解説の冊子と無綴じの図版50葉(内、3葉欠)。欠があるからこの値段なのかもしれないが、工芸品から書物の装幀、生地の柄等々、表現主義柄の写真集とでもいうべきか。ちょうど「カリガリ博士」が日本公開されて「表現主義」「表現派」という言葉がちょっとした流行になった頃の新聞雑誌記事を調べてみたことがあるのだが、表現主義柄の着物まで売り出されていて、これは興味深いと思ったことであった。